第12話「新たな武器」
イギリスGP。
この大会から新スペックのバッテリーがパワーユニットに搭載される。
4人に対して守谷が今回からのバッテリーの特性などについて話していた。
「…ということで今回から新しいバッテリーが搭載されるから頼んだ。」
「このバッテリー、今までのものより持ちも良くて、パワーも強くなったんですね」
「あぁ、トヨタがWECで鍛えた高効率でパワーも出せるバッテリーになった」
予選の結果、EFTCの飛花が5位、エイデンが7位、VERTEのキャロルが11位、安達が13位。
4台揃ってポイントを狙えるところまで来た。
24台がF1発祥の地でのレースをまだかまだかと待ち構える。
24位の後ろでグリーンフラッグが振られる。
スタートの合図。
1つずつ灯っていくレッドシグナル。
5つ灯って、消える。
24台が一気に蹴り出していく。
田邊が4位、エイデンが5位、キャロルが9位、安達が10位へとそれぞれ順位を上げる。
カーナンバー19をつけるのはエイデン・タケダ・フィーレン。
彼はF1の世界に飛び込んで来てすべてが変わった。
「まさか、一昨年レーサーを引退しようとした身が気づけばF1という舞台でポイント争いをしているなんて…」
前を走るのはメルセデスF1チームのハリソン・ジャクソン。
「でも、楽しいんだな、これが」
エイデンは前を走るメルセデスのハリソンをオーバーテイク 4位
そしてその前を走るのは76をつける田邊。
「私は1回F1の世界から見捨てられた。それでもEFSでの走りが評価されてまたF1の舞台に戻ってこれた」
「ここ(トヨタ)でなら、世界一だって狙えるかもしれない」
飛花は前を走る永野をオーバーテイク
3位に上がる。
トヨタ初の表彰台が見えてくる。
そしてレースが終わる。
チェッカーフラッグが振られる。
その下を田邊が3番目に通過する。
「やった!やった!私3位!?」
『あぁ!3位だ!よくやった!』
EFTCのメンバーたちは歓喜に湧く。
そして、クールダウンラップを終え、トップ3が表彰台下の特別エリアに来る。
トヨタのスタッフたちは田邊を盛大な拍手で迎える。
「よっしゃあ!」
田邊はトヨタ移籍後初表彰台、トヨタにとっても復帰後初表彰台を獲得し、歓喜。
イギリスGPの勝者は絶対王者の松下。
2位にはアルピーヌF1から参戦する周静麗が入った。
3人が表彰台に立つ。
すると、1位の松下が声をかけてくる。
「田邊、おめでとう。やっとだな」
「はい!やっと3位になれました!」
「やるじゃない。アスカ」
「静麗もありがとう」
そして今回、トップ3が全員アジア圏の選手ということで歴史の1ページを刻むことになった。




