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KING  一度は諦めた舞台で。  作者: 銀乃矢


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12/28

第11話「新たな課題」

East Fuji Technical Center。

EFTCは今回のTPCで得られたデータから空力パーツ、シャシー構造を見直した。

「今回のテストでかなりコーナー性能が不安定ということで空気の整流効果を見直したエアロを設計しました。また、マシンの前後バランスを整えるために構造を変えたシャシーを投入します。」

「わかった。頼んだぞ。」


一行は次のグランプリが開催されるマイアミに向かった。


予選の結果、EFTCの田邊が8位、エイデンが10位

VERTEのキャロルが12位、安達が17位からスタートすることになった。


決勝日。

全車がグリッドにつく。

F1のグランプリの中でも盛り上がりを見せるマイアミGPの幕が上がる。


この1周で4人が実感したのはマシンの安定性。

「すごい。高速コーナーに突っ込んでも全然破綻する気配がない…シャシー1つ変わるだけでもF1はこんなに変化が出るのか」


同じトヨタのチームとはいえ、F1のレギュレーション上同じ設計のパーツを2チームで共有することは禁止されているため、2つのチームの独自解釈で編み出されたパーツが搭載される。



39周目。


しかしトヨタの新たな問題が見えてくる。


4台がそれぞれ直線に差し掛かるとトヨタのマシンたちは他のマシンたちに追い抜かれてしまう。


田邊の横からパパイヤオレンジのマシンがオーバーテイクしていく。

「全然パワーがないよ…相手のバッテリー切れを狙うしかない…」


そうしてストレートの終端で田邊はマクラーレンのマシンをオーバーテイクする。


これで5位に上がる。


そしてレースが終了する。


ピットエリアではトヨタ陣営でレースを終えて拍手が上がっていた。

その中で守谷の携帯が震える。

「電話?」

そこにはEast Fuji Technical Centerで開発をしている自分の直属の部下の名前が表示されていた。


応答ボタンを押し、通話を始める。

「もしもし」

『あ、守谷代表、マイアミGPお疲れ様です。』

「お前が電話してくるなんて珍しいな」

『実は、開発を頼まれていたスペック2のバッテリーが4基完成しました。』

「おぉ、そうか。で、いつから使える?」

『イギリスGPから使えます』

「ちょうどいいところから使えるな」

『はい。今も総力を上げて色々なものを開発していますので。』

「あぁ、頼んだぞ。」

電話を切る。


East Fuji Technical Center。

「バッテリーも開発できた。次にやるべきことは…」

彼がパソコンで開いたフォルダの中にあったのはパワーユニットの設計図。


「スペック2のパワーユニット。これを作らないと。」


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