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KING  一度は諦めた舞台で。  作者: 銀乃矢


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第10話「夢へ」

そしてマシンがガレージ内に引き込まれ、アンドレッサがマシンを降りる。


アンドレッサについてくれたエンジニアに今日走ってみての感想を伝えていく。


「高速コーナーでも低速コーナーでもオーバーステアが出てて、特に高速コーナーはなんだかどこかに吹き飛んでしまいそうな恐怖感がある。」

「なるほど…」

エンジニアはそこにあった紙に、アンドレッサに言われたことすべてを書き留めていく。


「ありがとう。これを元に次のマイアミに向けてマシンを改善できるよ。新しい視点で教えてくれてありがとう」

「いえ…僕が感じたことをただ素直に伝えただけですよ。」

その時、守谷、松下、アンドリューを見つける。


「おう、アンドレッサ、どうだった?初のF1は」

「ピットアウトしてすぐの爆発的な加速は正直怖かったです。でも、慣れてきたら逆にこの速さがクセになりました」

「走り、めっちゃよかったよ」

そう話しかけてくれた男性に少し照れるアンドレッサ。

しかし、その正体に気づくとすぐに驚く。

「!?ま、マツシタ選手!?」

「そうだよ。僕があのF1王者の松下だよ」

「な、なんであなたがここに!?」

「なんでって、俺、守谷さんとアンドリューにお世話になってたからね」

「な、なんでアンドリュー言ってくれなかったの!?」

「そりゃあ、言う必要もないしな…」

「昔話とかで教えてくれてもよかったのに…」


4人の間に笑いが生まれる。


そしてアンドリューとアンドレッサと3人でミーティングルームに来た守谷。


「な、なぁ、アンドリューさん。提案があるんだが」

「なんだい?」

「実は、アンドレッサくんをトヨタ陣営のリザーブドライバーに起用したいんだが…」

「本当ですか!いいですよ!」

普段おとなしい彼とは裏腹に明るく食いつくように答える。

しかし、その笑顔を壊すようにアンドリューが切り出す。

「ダメだ。」


「まだこいつは経験が浅い。リザーブドライバーは正規のやつらの代役でもあり、開発だって担うんだ」

「…」

黙り込んでしまうアンドレッサ。


つまり、まだアンドレッサにはフィードバック力、速さが足りない。


そこからアンドレッサはF1に行くための猛勉強を始めた。


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