表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黄昏時、俺は生きた  作者: 田中ソラ
第二章 作戦
29/65

第二十八話 部隊壊滅

誤字修正しました。

『本部から指令が来た。作戦はそのまま実行』


『クソッ』


『持っている小型カメラを各自起動。あちらもモニターの電源を入れ、カメラから状況を確認するらしい』


『死んでも情報が行くように、ですか』


『そうだ』


 淡々とそう言う隊長。


 その声はすでに迷いがなかった。


『佐渡、了解……』


 俺は鞄から配布されていた小型カメラを取り出し、電源をつけた。


 そのカメラをヘルメットに装着し、準備完了。


「こちら河野、準備完了」


『こちらも完了しました』


『よし、では移動開始!』


『「了解!」』


 俺はビルから降り、基地の方向へ走り出した。




「こちら河野。あと、五分ほどで基地に到着します」


『了解』



 基地までは無事に到着することができそうだ。


 あの後は特に何もなく、結城さんは生死不明だが他の隊員は無事だ。


「ここか」


 基地に到着すると周りにはアルファがいた。


 アルファのいる方向のみ、基地が破壊されていた。


「河野! こっちだ」


「はい」


 先に到着していた佐渡さんが対空砲を見つけたのか場所まで案内してくれた。


「壊れてなくてよかったよ。これが対空砲だ」


「大きい」


 想像していたものより大きく、重そうだった。


「運ぶには夜、フルに活動しても二日はかかりそうだ」


「そうですね」


「あとはこれがアルファに潰されないことを願うばかりだな」


 たしかに。近くは破壊されており、潰されてしまう可能性だって多いにある。


 どうすべきだろうか。


「おい、こっちだ!」


 結城さん以外の隊員が無事に到着し、俺達だけの作戦会議が始まった。


「佐渡が見た人型はどんなものだった?」


「シルエットのみの確認ですが、二足歩行で腕があるかは不明。顔は恐らくですが何かで半分だけ覆っているような感じでした」


「覆う? 生存者ではない確証は……」


「報告した通り、羽です。背中に羽が生えていて、本で読んだことがある天使のような羽でした」


「なるほどな。その羽が生えている二足歩行の人型に注意!」


「「「了解!」」」


「日が昇るまでおよそ三時間。残り一時間になるまでは作戦実行だ。総員、移動開始!」


 俺達はそれぞれ、担当する位置と方角へ散った。


『各自、確認始め!』


 元々つけていたヘルメットの電気に加え、支給された懐中電灯で辺りを照らした。


 辺りは木や電灯が倒れていた。石や山からの土砂がないのは流石首都、と言った所だ。


「この辺は駄目だな」


 対空砲を移動させるためのルート確認を行う。


 地図に×印をつけながら歩く。


 数日後、運ぶ作戦の時にどうなっているかは分からないけれど、調べておくだけでも少し予想がしやすくなるだろう。


「ここも駄目……。ここは抜けられるか?」


 小さな路地のような場所は大きな対空砲が通れるか分からない。


 判断ば微妙な所はメモしながら先を進む。


「あと三十分で残り一時間か」


 時間が過ぎるのは早い。


 知りたいこと、やりたいことをするにはまだまだ時間が足りない。



『なっ。やばっ!』


 急に無線機から声がしたと思ったらそれは焦りの声だった。


『佐渡、どうした?』


『白い羽の人型です! 白い髪で白い羽のっ……」


 ザシュっと何かが切られたような音がした。


 それと同時に無線機からノイズ音がし、佐渡さんの声が聞こえることはなかった。


『総員、撤退ーーーー!!』


 隊長の声と同時に俺は本部がある方角へ走る。


――バーン、バーン


 一回目と違って、遠くはない距離からの銃声。


『嫌だっ!』


 無線機から聞こえる仲間の最期。


『うわぁああああ!』


 その声と同時に聞こえた爆発音。


 北の方角から炎が上がる。


 声的に隊長が自爆したのだろう。


 これで残っている隊員は俺と衣月のみになってしまった。


『水谷! これどうする!?』


「どうもいかねぇよ! 隊長は死んだし、本部とは連絡が取れねぇ!」


『くっそ!』


 思考回路が回らない。だけど逃げる足は止まることを知らない。


「な!」


 逃げる足が止まった。


『おい水谷。まさか!』


「そのまさか、らしい」


 目の前には冷夏ぐらいの身長の白い髪の“女”が。


 後ろには見える限り、大きな白い羽が六枚。


 たしか、フェイスベールと言ったか。口元と鼻がそれに覆われ、隠れている。


 全体的に黒と金の服を着ており、頭には羽のついた髪飾り。


 ソイツを覆う空気はとても普通ではなかった。


「っ」


 不時さんにも屈しなかった俺が冷夏ぐらい身長の女に恐怖を抱いている。


 出てくる冷や汗がそれを証明していた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ