表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大根と王妃②  作者: 大雪
46/46

第46話

その日、王宮はおろか王都は混乱に陥った。


今日はめでたい建国祭の始まりの日。

しかし、そこにようやく戻って来た王妃が、とある地方での領主の不正の資料の数々を手に王に奏上したのだ。



多くの官吏達が集い、その最奥の玉座には久方ぶりに姿を現した王が居た。

全ての者達の視線が一人の人物に集注する。



煌びやかな衣装を纏っているのでもない、金銀装飾を身に付けているのでもない。


容姿も十人並みで才だってそれほど優れているわけでもない。



嘲笑と侮蔑すらも入り交じる多くの視線を受けながら、その人物は静々と数段高くなっている玉座へと向かう。



玉座に近づける限界の場所まで来ると、その場で深く一礼した。

そこは玉座からまだかなり離れた場所だった。

背の高い大人の男性を寝かせて、十人も縦に並べたほどの距離がある。


本来ならば、その存在がいるべき場所ではない。


更に高まる嘲笑と侮蔑。揶揄と陰口。


しかし、その少女はたじろぐことなくゆっくりと顔を上げた。

その視線の強さに、その瞳を見てしまった者達は瞬時に魅入られた。



凛とした声が高らかに響く。




「申し上げます――」






その日――



凪国王妃の言によって、とある地方領主に纏わる全ての悪事が明らかとなったのだった――

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ