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第七話 事情聴取

ひとまず戦闘は落ち着いた。


暴走していた特級魔獣『ジャイアント・スネークケース』は完全に消滅し、森には静けさが戻っていた。


だが、その場にいた下級魔導士たちは誰一人として落ち着いてはいなかった。


下級魔導士たちは誠を見ている。


誰も近寄ろうとしない。


当然だった。


王国最高峰『八導宮廷八色パレット・エイト』の魔法ですら止めきれなかった攻撃を、十歳の少年が何気なく止めてしまったのだから。


そして、その中心にいる男――ゼノ・フロストは口を開く。


「……ひとまず事情聴取を行う」


その声だけで場の全体の空気が引き締まる。


ゼノは誠、ルミナ、そして現場にいた魔導士たちを順番に見渡した。


「一体、ここで何が起きた?」


下級魔導士たちが答える。


「報告します」


その場の空気が変わる。


「早朝より、森に発生した魔獣群の討伐任務を実施していました」


ゼノは黙って聞いている。


「順調に討伐は進んでいたんです。ですが――」


「森の奥から一匹の魔獣が逃走してきました」


「逃走?」


ゼノが反応する。


「はい。そして、その後ろから現れたんです」


魔導士は少し声が震える。


「……特級魔獣『ジャイアント・スネークケース』が」


周囲が一気に静まり返る。


「私たちは迎撃しました。しかし十分も持ちませんでした」


「半数が戦闘不能。一名を援軍要請に向かわせました」


ゼノは静かに目を閉じて考え始めた。


(妙だ)


特級魔獣。


こんな森に出るはずがない。


偶然とは思えない。


逃げていた魔獣。


異常な再生。


何かがおかしい。


ゼノは大きく息を吐いた。


(……誰かが裏で動いている)


一旦この件は王国で持ち帰らせて頂く。


下級魔導士は頭を下げる。


「わかりました。本当に助けてくれてありがとうございました。」


「……ところで」


「先ほど結界を展開した少年と、もう一人の少女はどこだ?」


視線の先。


そこでは。


「誠! 私たち特級魔獣に勝ったのよ!」


ルミナが興奮した様子で誠に話しかけていた。


「まだ魔術儀も受けてないのに、特級魔獣を倒しちゃったのよ!? 私たち天才なんじゃない?」


誠は苦笑した。


「いやいや、天才じゃないよ」


「ゼノ・フロストさんのおかげだよ。僕たちは少し手伝っただけ」


「調子に乗ったら駄目だよ。僕は凡人なんだから」


ルミナは一瞬黙る。


(いや、どの口が言ってるのよ)


誠は気づいていない。


ゼノの氷魔法だけでは、あの暴走した魔力は完全には止めきれなかった。


戦場を守っていたのは、誠が何気なく張った超高密度結界だったことを。


誠はまだ自分の力に気づいていない。


「……君たち」


二人の後ろから声がした。


振り向くと


ゼノ・フロストが立っていた。



笑顔だった。


だが目だけは真剣だった。


「少し、話を聞かせてもらえるかな」


ルミナは少し驚いた。


ゼノが話す

私が来る前になぜ戦場が焼けていたんだ?」


ルミナが喋り出す。

それは私の火属性の魔法でフレア・バーストという魔法を使って魔獣に当てたときに周りが焼け焦げてしまいました。


ゼノは驚いた。

この周りの地面が焼け焦げてしまうほどの威力

こいつもう中級魔導士レベルだな。将来有望だな


ゼノは誠へ視線を向けた。


「……では次に君だ」


誠は首をかしげた。


「僕?」


「君が先ほど結界を展開した人物で間違いないかな」


「はい。たまたま成功しました」


ゼノは少し黙った。


たまたま。


そんな規模の結界が偶然で成立するはずがない。



「なるほど」


「ちなみに、君の属性は?」


誠はあっさり答えた。


「透明です」


その場が静まり返った。


下級魔導士たちが顔を見合わせる。


透明。


存在しない属性。


ゼノの表情が冷たくなった。


「……透明?」


「はい。だから僕、凡人なんです」


誠は笑った。


「魔法も最近やっと使えるようになったばかりで」


ゼノは黙る。


透明。


ありえない。


だが、この結界。


空中に残る魔力。


巨大な結界。


全部辻褄が合ってしまう。


(……そんな馬鹿な)


神話級属性。


頭に浮かんだ仮説を、ゼノはすぐに打ち消した。


ありえない。


ありえてはいけない。


だが。


ゼノは静かに言った。


「……君たちは魔術儀へ向かう予定だったな」


「もしよければ、王都まで同行しよう」


誠は少し驚いた。


「え、パレット・エイトの人が?」


「え、本当にですか?」


ゼノは小さく頷いた。


そんな話をしているとき

あやしい集団がゼノの前に立ちよる


貴様ら一体何者だ!!!


(つづく)




ここまでお読みいただきありがとうございます!

魔獣を倒しひとまず落ち着いたときゼノの前にあやしい集団が立ち寄る。

一体彼らは何者だ?


ぜひ評価やブクマをください

執筆のモチベになります。ぜひ気軽にコメントや添削など行って頂けると嬉しいです!



天才なのに勘違いすぎて凡人疑いされる

絶賛連載中です。次回もお楽しみに

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