第十八話 会場へ
「それでは、受験者の皆さん。」
「これより魔術儀の会場へ案内します!」
係員たちが列を作り始めた。
「係員の指示に従い、順番に移動してください。」
「途中で列を離れないようお願いします。」
誠とルミナも列へ並ぶ。
フェルナンドとゼノは少し離れた場所から、その様子を静かに見守っていた。
受付係は少しだけ真剣な表情になる。
「なお、ここから先は王国管理区域です。」
「魔術儀は危険を伴う試験となります。」
その言葉に受験者たちがざわつく。
「え……?」
「危険って?」
「これから先は命の保証はありません。」
「覚悟がある者だけ進んでください。」
「辞退することも可能です。」
だが
誰一人として列を離れる者はいなかった。
魔導士になる。
その夢のために、皆ここまで努力してきたのだ。
今さら引き返す者はいない。
誠は少し緊張した表情で前を見る。
「いよいよ始まるんだ……。」
「魔術儀。」
前世では体験できなかった世界。
「魔法」
「魔導士」
全部が新鮮だった。
ルミナ
緊張してる?
ルミナは胸を張った。
「え?」
「この私が?」
「緊張するわけないじゃない!」
「今まであれだけ練習してきたんだから!」
しかし。
(やばい……。)
(心臓がすごくうるさい……。)
(もし失敗したらどうしよう。)
頭の中は不安でいっぱいだった。
「さすがルミナだね。」
ルミナは笑顔でうなずく。
「もちろん!」
(助けてぇぇぇぇ……。)
内心は誠以上に緊張していた。
そんな二人の様子を見ていたゼノは、笑った。
「若いな。」
フェルナンドも口を開く
「緊張するのは悪いことではない。」
「緊張する者ほど真剣ということだ。」
「だが、必要以上に力むな。」
「魔法は心を映す。」
「焦れば乱れ、落ち着けば応えてくれる。」
いけ、そして魔導士になれ!
列はゆっくりと進んでいく。
やがて巨大な石造りの建物が見えてきた。
まるで闘技場のような巨大な円形施設。
入口には古代文字で刻まれた巨大な魔法陣。
何本もの柱から魔力が流れ込み、建物全体を包み込んでいる。
「ここが魔術儀の会場……。」
誠も目を輝かせる。
「すごい。」
「こんな場所があるんだ。」
係員が巨大な扉の前で立ち止まる。
「まもなく開門します。」
重々しい音が響く。
ゴゴゴゴゴ……
ゆっくりと扉が開き始める。
その先から、眩しい光が差し込んできた。
ついに始まる。
魔導士への第一歩。
そして誠はまだ知らない。
この魔術儀が、自分の運命だけでなく、この王国の未来すら大きく変える試験になることを。
(つづく)
ここまでお読みいただきありがとうございます!
王国中から集まった受験者たち。
そして、いよいよ始まる魔導士への第一歩『魔術儀』
果たして誠は、無事に試験を突破できるのでしょうか?
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『天才なのに勘違いすぎて凡人疑いされる』絶賛連載中!次回もお楽しみに!




