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第十五話 特別審査

「特別審査に変更しよう」


フェルナンドの一言で、受験会場は一気にざわついた


「特別審査?」


「何だそれ?」


「聞いたことがないぞ……」


受験者だけではない


受付員も、警備兵も、会場にいた魔導士たちまでもが驚いた表情を浮かべている。


ルミナは不安そうに誠を見る。


「誠……なんかまずいことになったんじゃない?」


誠は首をかしげた。


「そんなことないよ」


「ないない」


いつも通りの笑顔だった。


(いや、どう考えても普通じゃないから!)


水晶は壊れ、属性は登録されていない『透明』


さらに王国最強の魔導士が自ら出てきて特別審査を宣言したのだ。


普通であるはずがない。


一方、ゼノは静かにフェルナンドを見つめていた。


(やはり、そこまで考えたか)


フェルナンドが特別審査を行うのは極めて珍しい。


王国でも数年に一度あるかどうか。


周囲の受験者たちもひそひそと話し始める。


「あいつ何者なんだ?」


「測定不能なんて初めて見たぞ。」


「王国最強が直々に試験するなんて……。」


「絶対ただ者じゃない。」


誠だけが周囲の視線に気づいていなかった。


「みんな見てるね。」


「有名人でもいるのかな?」


ルミナは思わず叫ぶ。


「あなたよ!」


緊張していた空気が少しだけ和らぐ。


フェルナンドも少し微笑んだ。


「面白い少年だ。」


そしてフェルナンドは受付員へ視線を向ける。


「第二演習場を開放してください。」


「は、はい!」


受付員は走り出した。


しばらくすると、広場の奥にある巨大な門がゆっくりと開く。


ゴゴゴゴゴ……


重厚な音が王都に響く。


その先には円形の演習場が広がっていた。


白い石で造られた会場。


周囲には高い壁。


さらに外側には何重もの魔法結界が張られている。


フェルナンドが説明する。


「ここは特別演習場。」


「王国でも限られた者しか使用を許されない施設だ。」


誠は目を輝かせた。


「すごい!」


「こんな場所があるんだ!」


ルミナも圧倒されていた。


「こんな広い演習場初めて見た……。」


(ここなら多少暴れても問題はない。)


フェルナンドは誠の前まで歩いてきた。


「安心しなさい。」


「難しいことはしない。」


誠はほっとした表情になる。


「よかった。」


フェルナンドは笑う。


「君に見せてもらいたいものは一つだけだ。」


「君の魔法を自分に使ってほしい。」


「え、危ないですよ!」


「もしケガしたらどうするんですか?」


フェルナンドは穏やかに笑った。


「心配はいらない。」


「私はそう簡単には傷つかない。」


ゼノも口を開く。


「全力でやれ。」


「遠慮は不要だ」


「分かりました」


「じゃあ……やってみます。」


王国最強の魔導士が自ら見極めようとする、前代未聞の特別審査。


その幕が、今まさに上がろうとしていた。


(つづく)


ここまでお読みいただきありがとうございます!

まさかの特別対応、誠は一体何者なんだ

ぜひ次回をお楽しみに!


天才なのに勘違いすぎて凡人疑いされる絶賛連載中です。

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