02 最後の城 中
02 最後の城 中
好樹は、そこに居たのが村長だと言う事に驚きを隠せない。
「どうして…あなたがここに?」
「決まってるじゃないか。ずっと後を付けていたんだよ。」
「……それは、どういう意味でしょうか。」
「つまり、爆弾とか暗号文とかは私が書いていたと言う事になるね。」
「どうし…て…?」
「私はこの世界の闇組織の一員でね。ちなみに、本物の村長は自分の村でのんびり暮らしているよ。」
「なぜ、あなたはわざわざそんな恰好でやっているんですか?」
「ああ、それは…依頼者が、村長だったからだよ。簡単な答えだろう?自分が探るとなると、対象に不審に思われる可能性がある。それで、私に依頼してきたのさ。魔法を使ってとは言え、似せるのに結構苦労したんだ。」
「そうだったんですか。…どんな依頼だったんですか?」
「うーん、本当は明かしちゃいけないんだろうけど…バレッタさんが魔女かどうかを調べるために動いていました。爆弾等を大量に仕掛け、防御力と回復力を確認いたしました。申し訳ございません。では、失礼いたします。」
「あ、逃げた。調査だって、バレッタ。命を狙われていなくて良かったね。」
後ろを振り返ると、バレッタは…蒼白な顔をしていた。
「バレッタ!?大丈夫?」
「大丈夫なわけ…無いでしょ。」
「え?」
「大丈夫なわけないって言ってるのよ!この世界で、魔女と言ったら死刑にされる運命なのよ?それなのに落ち着いていられないわよ。」
「……バレッタ。」
「何よ。」
「好きだ。」
「……ありがと。私もよ。」
「敵が来たら、逃げればいい。殺されそうになったら、守ればいい。ただ、それだけのことじゃないか。上の世界でも、似たようなことはやっているよ。サイバー攻撃が来たら、回線を遮断する。大切なものは、パスワードをかけて守る。僕は、バレッタが生きていてくれたら、それでいい。笑っていてくれたら、それでいい。バレッタにはおてんばが一番だよ。」
「なにそれ。励ましてるのか、貶してるのか…どっちかにしなさいよ。」
バレッタがしくしく泣き始めたので、好樹はみーくんに分厚い壁を選んで穴をあけてもらった。好樹がバレッタを連れて穴の中へ。みーくんは防音加工を施した。
バレッタは、好樹に飛びついて号泣した。その顔は、うれしさと悲しさが入り混じった顔だった。
好樹に抱き着いたまま泣き寝入りしたバレッタは、好樹の声で起こされた。
「…きゃっ!」
「自分から抱き着いてきたくせに。」
「うるさい!」
好樹に抱き着いていたことに気付き、バレッタはパッと離れる。
好樹の赤くなった顔を見て一言。
「馬鹿ッ!」




