01 最後の城 上
01 最後の城 上
好樹とバレッタは、見張りがこちらを向いていないときを狙ってするすると進んでいた。
ここは城の中。サンシャイン島にある、最後の城の中を進んでいる。
無断で入ってきたので、見つかったら即連行されるだろう。
とは言え、取りあえず中に入ってみたら正門が閉まってしまい、外に出られなくなったという流れだった。
何を言いたいのかというと、中に居る人に言えばよかったのである。
だが、バレッタが『絶対聞いてくれないから、忍び込んだ今回の方が早いわ。』と言ったので今に至る。
(バレッタは、前にも来たことがあるんだろうか。)
心なしか、城の中はピリピリしている。
「もうすぐ、戦争が始まるのよ。」
バレッタは小さな声でそう言った。
「そうなんだ。…どこと?」
「まあ、ここは『最後の城』なのよね。どっかとどっかの連合軍だったはずよ。」
「じゃあ、今どっちが勝ってるの?」
「兵力にはあまり差がないんだけど、連合軍の中にはどうも知恵があるやつが沢山いるらしいのよ。この城も、いつ奇襲を受けるか見当もつかないんですって。」
「まあ、奇襲だしね。そもそも、いきなり城を狙われるの?」
「何度も言った通り、奇襲・急襲がうまい奴らだし、なにしろ上の世界と違って魔法が使えるからね。」
「ところで、どうして戦争になったの?」
「この城に住む国王のやり方がひどくてさ…まあ、私は連合軍に味方したいけどね。」
「例を挙げるなら、どんなこと?」
「挙げたくもないような、酷いことよ。」
「……僕は何も聞かなかったことにしておくよ。」
「そうして貰えるとありがたいわ。」
好樹とバレッタはこそこそと歩くのを続ける。
みーくんはこの近くに居る生物を詳しく伝える。
そんな風にしながら、城のてっぺんを目指す。
「城の一番上からなら、上の世界に戻れるんだったよね。」
「ええ、そうよ。」
そんな会話をしていると、後ろから声がした。
「お二人さん、例に漏れず、仲良しですね。」
みーくんが、『そんな馬鹿な!』というように『ひっ!』と言った。
そこに居たのは、紛れもなく村長だった。




