09 ファイア島
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09 ファイア島
ファイア島にもなって、ついに二人は飽きてきた。
つまり、緊張感が薄くなってきた。
それが危険なことだと分かっていても、坂を転げ落ちるように止まらない。
「ライジングボルトサンファイアネクストサンシャイン諸島も残るは後二つの島だけだね。」
「そうね。…なんか疲れたわ。最近しっかり休める機会が無いからかしら。」
「…バレッタ、いつでも村に帰って良いんだからね。」
「そんなことするわけないわよ。もっとも、秋戸が戻りたいって言うんなら付いて行くけどね。」
「ありがとう。…あ、もう出口みたいだよ。」
目の前には壮大な光景が広がっていた。
まさしく、荒れ果てた町。
規模は大きいのに、人が住んでいる気配がない。
「バレッタ、大体地下世界には何人くらい住んでいるの?」
「そんなこと知らないわ。神様に聞いてみたら?」
「神様?いるの?」
「いるかどうかは知らない。でも、信じている人がいなかったら、教会なんてないわ。」
「ああ、納得。言われてみればそれもそうだな。ゲームとかには普通に教会あるからなあ。」
「げえむ?」
「ああ、上の世界の娯楽だよ。まあ、僕は娯楽だとは思っていないけれどね。今でもやりたくてうずうずしているところだよ。」
「良く分からないけど、それなら中毒になってるみたいだからやめた方がいんじゃないかしら。」
「えーっと、あ!鳥が止まったよ!」
「話をそらした…?」
いつもよりは規模が大きかった。だが、バレッタに、好樹が小屋の中に入ったら走り始めるように言っておいたので何とかなった。
バレッタの特性『ほうこうおんち』で一波乱あったことは割愛(意味:手放すには惜しいものを手放すこと)させていただく。
いつものようにバレッタと雑談しながら歩く帰り道。
と、言っても目的地は宿なので、帰り道という表現は適切でないかもしれない。
お昼ご飯を食べたばかりでお腹いっぱいなままゆっくりと歩く帰り道。
とてもほのぼのとしていて幸せになれる時間。たまにそうじゃない事もあるけれど。
「好樹。」
「何?バレッタ。」
「この前読んだ本にね、上の世界に戻るには城のてっぺんから行くしかない、って書いてあったのよ。」
「へえ。…最初に教えてくれ!」
「今思い出したのよ。」
「そうですか…。」
そんな会話をしながら(たいていはもっとくだらない話)、時はまだゆっくり進んでいた。




