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02 好樹の回想

02 好樹の回想


 好樹は一人、物思いにふけっていた。


 さっきからみーくんには感情もろもろシャットアウトしてもらい、もう寝てもらっている。

 好樹の家族は数年前の大震災で死んだ…かどうかさえ分からない。

 不明だ。

 あの時、僕が反対を押し切って、家を飛び出さずにとどまっていたら…。

 家族と一緒に居られたかもしれない。

 父と母と弟。みんなで仲良く暮らせたかもしれない。


「だめだ。」

「どうしてもプログラマーになりたい。だから継げない。」

「そんなこと許されない。」

 そんなやり取りが続いて、ついに僕は雑貨屋をしている家を飛び出した。

 東京に行き、数日はホテル暮らしが続いた。

 すぐにいい物件が見つかったので、それからはそこに住むことにした(それまでは大変だった…。)。

 僕は、自分で言うのも難だが、結構稼いでいる。

 少ない時は年換算五百万、多い時は年換算七百万くらい。

 子供にしては貰いすぎなような気もするが、契約条件として個人情報は一切教えないというものも混じっている。

 そこそこ有名(?)だ。アカウントは乗っ取られないようにはしているが、一応週一でパスワードも変えている。

 ……話がそれた。元に戻そう。

 そこでは一か月住んだ。

 なかなか居心地は良かったが、散歩しているときにたまたま浜辺の一軒家を見つけてほしくなった。

 猛烈に働き、そのまた一か月後に一括で買った。

 なかなかの衝動買いであったとは思う。人生一番の。

 ……また話がそれた。元に戻そう。

 浜辺の家で暮らし始めて、数ヵ月が立った二月某日。

 大震災が起こった。震度6以上。津波も起こった。

 津波は倒壊した実家をきれいにさらっていった。

 家族は生きているのか、死んでいるのか。生きていたとしても、どこに居るかなんて皆目見当もつかない。

 忘れたいけど忘れられない。

 忘れたいけど忘れちゃいけない。

 そんな思いと共に、今を生きている。

 ……この世界に落とされたのは、それから一年もたたないときだった。


 好樹はふうっ、とため息をついて目を閉じた。

休憩も終了。

そろそろ終盤…かな?

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