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初戦闘と韋駄天なおれ

スキル発動を解除すると、俺を中心とした加速域の世界は終わりを迎える。


「………」


目の前には俺の殴る蹴るの暴行を受けて地に仰向けに臥せっているケニーの姿があった。


そしてその頭の上の赤いゲージは空となり、そのゲージの上に小さく1という表示にがある。


ドスっ!

「…ぐ、ぐぅ⁉」


なんの気負いもなく、ふと、あと一撃でも入れれば0になるのか考えて、ケニーの顔へと蹴りを入れる。


結果は1のままであり、気を失っているケニーが鈍い声を上げただけだった。


「……」


とうやらこの赤色のゲージは、俺に敵対する者用のゲージな様だ。


ゲージの左上に表示されている1という数字は恐らく残りのHPが1しかないと言うことだと思ったんだが、倒れているケニーに蹴りを叩き込んでも、それ以上は減ることはなかった。


どうやら1というのは瀕死の状態を指すようだな。

瀕死といっても身体を動かせなく意識を失っているだけで、まだまだ蹴っても死にそうにはないのだが、まあ、蹴り一発で簡単に死なれたら俺が後悔していただろうから、良かったと言えば良かったのだろう。


「…レックス?」


ビック⁉

「ッツ‼」


俺がそうケニーを無感情な瞳で見やり考察していると、この場に居たもう一人の存在からそう確認する様な声が掛かる。


…しまった!もう一人いることを忘れてたよ⁈


「………」


「……っあ!」


少女の存在に気付いた俺が彼女の方へと視線を向けると、ミリアも俺のことを見ていたため、俺と彼女ら暫し見つめ合うことになってしまった。


数秒の沈黙後、それを破ったのはミリアだった。


「そうだった、レックス喋れなかったのよね?」


「………」


レックスという人間に俺が憑依してもう数ヶ月、家族以外とは未だに口を開き言葉を交わしていないため、村の人間は家族以外は全員が俺を頭の弱い子と思っている。


近頃はそれを何とかしないとと考えて、どう行動を起こすべきかと悩んでいたりもしたのだが、こういう話を聞かれて都合が悪い所で、喋らなかったという行為が優位に働くとは思っていなかった。


…これはまだ当分の間は村の中では頭の弱い子でいた方が、色々と弁理士なのかもしれない。


俺がそんなことをつらつらと考えていると、何時の間にかミリアが俺の目の前に立っていた。


「えーっと、助けてくれて有難うね」


「………」


俺にどう接していいのか判然としないのか、ミリアはその美しい顔に苦笑いを浮かべながらそう言ってきた。


「………あ、あたし!村の人呼んで来るからレックスは此処で待ってて‼」


しかし一行に俺が反応返さないことに、さらに気まずくなったのか、一歩俺の前から後方へと下がると、くるりと踵を翻し村の方へと走って行ってしまった。


「………あの子が村の人を呼んで来るまで、俺はこの変態と二人きりでいないと行けないのか?」


チラリと倒れているケニーへと目をやると、未だに瀕死状態のままなのか、ピクピクと足を痙攣させている。


さてどうしたものなのか…。


「…ふむ、面白いこと思いついたぞ、ふふふ!」



それから暫くしてミリアは村から数人の村人とティックスを連れて戻って来た。


「兄さんっ!」


村の人達がケニーへと駆け寄り、ケツ丸出して足を痙攣させているのを見て、さらに寄って集って追撃を仕掛けているのを横目で見ながら内心笑っていると、そんな事など気にした様子も見せずにティックスは、俺へと歩み寄って来ると、両手で肩を掴み揺さぶりながら聞いて来る‼


コクコク

「………」


「…良かった‼何かあったらどうしようかとおもったよ⁉」


ティックスに肩を揺さぶられた勢いで首を縦にブンブンと振られていると、それを大丈夫だと言っているサインだと思ったのか、ティックスは掴んでいた俺の肩を突然放す。


突然開放された事で、若干ふらついて転けそうになった。


「……」


俺の方がレベルは上の筈なのに、チカラで負けている事に少々ショックを受けながらも表情は平静を保つ様に努力する。


やはり村の人達にはまだアホな子レックスと思っていてもらったほうが、行動がし易いと判断したからだ。


「んーっ!もう‼ティックス⁉襲われたのはあたしなんだよ⁈心配ならあたしにしてよね!」


「えっ⁈あぁ、そうだったね!ごめんねミリア?勿論、話を君から聞いたときは君のことも心配したよ」


「ホ、ホントッ!!?」


「当然だよ!ミリアは僕の大事な人なんだから⁉」


「だ⁈だ、大事な人ーぉ‼⁉あたしがっつ⁈」


唐突に始まったアツアツな展開に若干、辟易としながらケニーの方へと身体ごと視線を向けると、其処には顔を蜂に刺されまくった様にボコボコに腫らした彼の姿があった。


「……」


村人容赦ないな、と内心呟きながら、村へと引き摺って連行されて行く彼の姿を見ていると、ケニーの瞳が俺へ向けられた。


「…ごのゃろ、ぉぼえてッ!やがれぇ‼…レッスン⁈…しゅうしてやるッツ‼」


「…」


そう最期に口にするしてからカクンと糸の切れた操り人形の様に動かなくなったケニー……。


人の名前を間違っていることにまだ気付かないのか、ケニーという男は最後まで失礼なやつであった。


だが思いつきで彼のズボンを引き下ろしたことに、少しの後悔を覚えた。


何故なら村人達は彼のズボンが下がっている事に気付くや否や、殴りかかったのだから、彼に恨まれごとを言うのも仕方ないのかもしれない。




スキルアップを確認しました。


スキル名称[加速+1 →加速+2 ]


加速+1の効果に神経伝達速度の上昇により、更なる加速を体現させる事がで着る様になりました。


ティックスとミリアを放って、村の人達から少し離れた場所を歩いて家路へと着いている時に、ウインドウが開き韋駄天のスキルレベルが上がったと表示されていた。


内容はいまいち理解することは出来なかったが、前より早くなったことは確実だろう。


ケニーをボコっただけでこんな副次効果があるとは…。


「ケニー、君に感謝を…」


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