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幼なじみの青い方は賢者様なようです。

高台の上から村の様子を見ていると、偶々なのかティックスと村の子達が俺の居る高台の下へと来た。


一人はティックスと比べて身体が一回り大きい男の子であり、髪は短髪であり茶色の色をしている。後の二人は女の子であり、日本では考えられない様な髪色をしている。


「…何を食べたら赤と青の髪色になるんだよ」


俺がそんな事を考えながら独り言を言っていると、高台の下で4人は会話を始めた様で、その会話が聞こえて来た。


「凄いじゃねぇーかっ!ティックス!レックスを守るためにエリトカマを倒したんだってな!」


「モルド、あの時は本当に無我夢中だったんだよ」


モルドとよばれた少年は、その身体に見合った性格の様で、その精悍な顔を大きく口を開けてゆがめて笑っている。


「本当にすごいよ!大人でも無理なのに‼やっぱりティックスは村で一番カッコいいよ!」


「ミリア、そんな事ないよ。まだ剣術でも父さんに全然敵わないんだから…」


モルドの後をついで話し出したのは赤色の髪色の少女であった。腰したまで伸ばした髪を揺らせながら声を上げている。


「…ティックスくん、危ない事はもうしないでね、わたし心配だったんだから!」


「…父さんにも怒られたから、もうしないよ。心配してくれてありがとフレア」


フレアという名の少女はその青色の髪色が表す様な性格で、気の弱そうというか、良くいえばお淑やかな大和撫子といった少女だ。


「…不自然なくらい美形揃いだな。なんかまるで漫画やゲームの中の主人公とヒロイン達とライバルみたいな奴らだな」


そう言葉に発してみると本当にこの世界はゲームの中みたいである。


あの時に目前に広がったメッセージウインドウの様なものもそうだ。


あれから一様にあの時のウインドウは現れる事はなかったが、その代わりにというか、あれから俺が見る人、見る人の頭の上に名前と薄青色のゲージの様なモノが見えるようになった。


「一体なんなんだろうな」


このゲージの様なモノを見た事はあるにはあるRPGとかでだが…。やっぱりHPとかか?


ならあの酒屋のケニーって奴だけバーが赤色なのはなんでなんだ?


こうして考えていても仕方がないか…。


「…ん?何時の間にかティックス達は何処かに行ったみたいだな」


レックスの身体に憑依してから彼これ数ヶ月経った。


当初は現代社会よりも文化が後進的な世界に来てしまったので、子供でも働いたりしないといけないんだろうかと、気が怠くなり気分も重かったのだが、この村では子供を働かすような事はなく、たまに手伝いをする位で後は遊んで来いと家を放りだされる。


「…ゲームもなく、喫茶店もないのに何をして暇を潰せというんだよ」


視界一面の畑が広がる中をトボトボと歩きながら河原を目指していると、目の前から先程見た青色の髪色の少女がこちらへと向かい歩いて来るのに気付いた。


「っあ、レックス!」


少女も少女で俺に気付いた様子で、俺に向けて艶やかに頬笑むと小走りにこちらに向かって走って来る。


「…………」


頬笑む顔が子供と思えない様な色気があった為、暫しかたまってしまったが、よくよく考えてみると俺って家族以外と話すのこれが初めてになるんではないだろうか?


「…はぁ、はぁはぁ。おはよっレックス?」


「…」


無視するのも気が引けた為、取り敢えず頷いてみることにする。


「……レックス?いま頷いたの?ま、まさかね。……そんな筈ないよね」


「………」


喋る所か、頷いただけでもこの驚き様だ。改めて喋らなくて良かったとそう思った。


だがしかし、話さない頷かないとなると、俺はどうすれば良いんだ?


わかんねぇー?!いや、もう良いや、このまま河原に行っちまおう。


「っあ、河原に行くんだ!私も行くね?良いよね?」


「……」


おいおい、ついて来んのかよ⁉そう内心思いながらも言葉ににすることはなく、隣を歩く少女を無視して河原へと向かう。


パッシャ!パッシャ!

「だからね!私、ティックスくんに言ったの!危険なことはやめてねって‼」


彼女は小河の水を足でゆっくりと蹴り上げながらそう俺へと話してくる。


もうそれが30分は続いている。


この間、無論俺はぼぅーっと遠くの方を見ているフリをしている。

たまにチラっと彼女に目線を向けると、彼女は此方を見ることもなく、蹴り上げて上がる水飛沫を見ている。


「……」


河原に来て岩場に腰をおろした俺の居る隣、しかも肩が触れるくらい近くに座ると彼女は、マシンガンの様に喋り続けているのだ。


曰く日常のこと、昨日母さんに怒られた。お父さんがティックスなら良いっていうんけど、私は友達に思ってる!などなど、本当に先程、ティックス達と4人で話してた時の引っ込み思案な少女なのかと思うほどの差があった。


「……そうだ!レックスも怪我したんだよね⁈えーっとたしか肩だったよね!大丈夫⁈見せてみて!」


「……」


そう言うが早いか、彼女は俺の服の紐を解き肌を露出させると、昨日負ったばかりの肩の傷を見ようとする。


「んー、この薬草邪魔だね。…取るね?」


「っえ⁉」


いや、あのその薬草は傷の治りが早くなるからって村の医師が貼ってくれたんですけどぉおお⁈ホントにやりやがったよ?


余りの唐突な動作に流石に俺の口から疑問と驚きの声が出る。


「…あ、ホントだ!深い傷だね‼んーっと、これなら何とかなるかな?」


しかし彼女は俺の疑問の声など聞こえなかったのか、指でカサブタになりかけの傷をツンツンと突いて来る。


鬼か⁈この子は⁉と痛いのを我慢しながらキッ!と彼女を睨むと、流石に彼女も悪いと思ったのか、気まずい顔をしながら言う。


「あはは、はは…。痛いよね?ごめんね、直ぐに治すから許してねレックス」


いや、治すたってアンタ⁉さっき貼ってた薬草の葉を普通に河に投げ入れちまったじゃねぇーかよ⁉


「……」


厳しい目線を彼女に向けながら、日本の政治家の様に無言で遺憾を表していると、彼女はまた俺の傷へと手を当てる。


しかも今度は両手でた。


「………」


もしかして日常的に前の俺は、彼女にイジメを受けていたのではないだろうか?


一見とすると大和撫子の彼女は、蓋を開けてみればドエスなのかもしれない。


「…ッツ‼」


そんなことを考えていた時だった。昨日と同じ様に目よ前にメッセージウインドウが開くとメッセージを表示した。


神術の発動を確認しました。


神術名称[リカバリー]

発動者[フレア]


「神の御導きのままに…。リカバリー!」


メッセージがウインドウに表示された数秒後、俺の肩に両手を当てて目を瞑っていた彼女が目を開けると同時に、彼女の手が淡く白い光を放つ。


「……」


その光が無くなった跡には、先ほどまで痛々しかった俺の肩の傷は無くなっており、其処には少しだけ立てに薄っすらと傷跡が残るだけとなっていた。


「やった!成功だね‼……ふふふ、驚いた?私ね賢者になろうと思って勉強してるんだよ⁉」


そうまた艶やかや氷上で頬笑む彼女を見て、俺は驚きが隠せずに、某前と彼女に魅入っていた。


「………」


まあ、どちらにしても無言であるため違いはない。気付かれたとしても幼い彼女には、俺が突然意思を持って話せるようになったなど考えないだろうし、分からないであろうから、気にするほどのこともないか…。


フレアは称号[回復士]を獲得しました。


レックスは称号[傷だらけの少年]を獲得しました。

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