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始まりの村シルフと俺、あとモンスター

『始まりの村 シルフ』


まるでRPGの最初に出てくる様な名、それが俺が俺達家族が住んでいる村の名だそうだ。


農作と放牧を営んで生活している人が殆どで、商人などは一人も居ない、何故なら必要な物は大抵が物々交換で手に入れることが主流だからだ。


村で手に入らない物は、丸1日ほど西に向かって歩いた所にある大きな村、名をワヘッドと言うらしい所まで行き、小麦粉や家畜などを商人に換金して貰いお金にし、必要な物を買うらしい。


そんな生活を送っているせいなのか、村人達の教養は極めて低く、算数は勿論、字を読むことすら出来ない、ひどい場合は字という物がある事さえ、知らない程だ。


「とかく言う俺もこの世界の文字はまったく読めないんだけどな」


日々を自給自足で生きているため、日照りが続いたりすると、即、村人達は飢えることになり、村だけでは解決のしようもない。その為、そういう場合は各々の家で男が出稼ぎに、酷い時などは、娘を娼館に売ったりするハメになるそうだ。


「そう言えば父さんも母さんと結婚するずっと前に、村が飢餓に見舞われた時に出稼ぎに出たって言ってたよな」


もう十年以上前にまったく雨が降らずに、作物が全て枯れてしまうという事があった時に、父さんや、その当時若かった男衆達で出稼ぎに行ったらしい。


村から遠い場所にある、アシュラという町まで出稼ぎに行き、其処で父さんは、身一つで始められ、リスクは極めて高いが、その分、報酬も良いという浅い考えでギルドに入ったらしい。


父さんからその話を聞いて、俺は自分が憑依した世界が、本当にゲームの様な世界なのだと認識した。


「ギルド、いわゆる何でも屋、それこそベビーシッターから魔物の討伐まで、何でもありの仕事、か」


俺はその話を聞いてまず感じたのは、この世界には人間の脅威になる様な恐ろしい存在がいるという途轍もない恐怖だった。


聞いた話では、数百人掛かりで戦っても勝てないくらい強い、魔物もいるといことだ。


そしてそんな危険な存在が居るのに関わらず、国は被害が大きくなるまでは知らぬ存ぜんであり、個々の町や村でギルドに依頼する様に推奨するだけなのだという。


まあ、此処まで長く魔物について語ったのにも理由がある。


『ギィキャーーーッ!』


エリマキトカゲを人間の大人と同じ大きさにした様な怪物が、俺へと向けて咆哮を上げる。


その際に口から飛び出た唾の様な液体は、周囲の木々や草花にかかると白い煙を上げて溶けてゆく。


その瞳はシッカリと数メートル先に棒立ちになり、ズボンの繋ぎ目部分から液体を垂れ流している俺にRockされていた。


そう目の前に魔物がおり、その魔物が俺を食そうと狙い、威嚇しているからである。


ちなみに此処までの時間は数秒です。


「・・・って!?んなことやってる場合じゃねぇー!!逃げねぇーとっ!!!?」


そう叫び声を上げると同時に俺は森の中を村へと向かって必死に駆け降りる!


目指すは親父。


今は母ちゃんに尻に引かれているとしても、昔はギルドで剣士として戦っていた人間だ。


こんな始まりの村という名前の村近くに出てくるモンスターくらい、簡単にやっつけてくれるだろう!

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