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眠れぬ夜と灰色の朝。  作者: 阿月
19/35

馨くんが変態さんになっちゃったと思ったよ。

 まずは情報収集。

 手始めに、菊川高校のホームページにアクセスしてみる。

 案の定、生徒会というページにヤツらの顔写真を見つける。

 プロフィールまではさすがにない。

 ま、当たり前か。

 念のため、個人名で検索してみる。

 ひょっとして、と思ったら意外なところに名前を見つけた。

 近藤はテニスの県大会の結果の中に準優勝という言葉とともに。

 春山は県の英語弁論大会に。

 まあ、公共に公開されている情報はこんなもんだろう。

 あとは……。

 どうするか、だ。



 よく漫画に事情通なキャラがよく出てくるけど、あんな便利なヤツ、現実にはいない。いや、ひょっとするといるかもしれないけど、少なくとも僕の周りにはいない。だとしたら、自分で探偵のように後でもつけるしかない。 




「先輩、ちゃんと女の子に見えます?」

 僕はポーズをとってみせる。

「馨くん……、どうしちゃったわけ?」

 何、言ってるんだか。元々これを着せたのは先輩じゃないか。

 僕は我が身を振り返る。

 ヘアピースをつけ、セーラー服に身を包んだ僕は一応、女の子に見える。

 それもそれなりに可愛い、というレベルの。



 男としてのプライドはさておいて、それが自分に与えられた特性なら、それはとことん利用すべきだと思う。



「どうですか?」

「いや、すごく可愛いよ。でもどうするの?」

「調べないと。あいつらのこと」

「調べる?」

「そう。隙を探します」

「隙?」

「殺すための」

「そう。変装なんだ。それ」



「そうですよ。ひょっとして僕が何か変なことに目覚めたと思いましたか?」

 

「うーん。ちょっとね。ま、そういうことならよかった」

 にこりと笑う。

 その笑みは、それがたとえ触れられないものだと知っていても、とてもいとおしいものだった。



「馨くんが変態さんになっちゃったと思ったよ」

 

 

 それは余計な言葉だ。先輩。

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