馨くんが変態さんになっちゃったと思ったよ。
まずは情報収集。
手始めに、菊川高校のホームページにアクセスしてみる。
案の定、生徒会というページにヤツらの顔写真を見つける。
プロフィールまではさすがにない。
ま、当たり前か。
念のため、個人名で検索してみる。
ひょっとして、と思ったら意外なところに名前を見つけた。
近藤はテニスの県大会の結果の中に準優勝という言葉とともに。
春山は県の英語弁論大会に。
まあ、公共に公開されている情報はこんなもんだろう。
あとは……。
どうするか、だ。
よく漫画に事情通なキャラがよく出てくるけど、あんな便利なヤツ、現実にはいない。いや、ひょっとするといるかもしれないけど、少なくとも僕の周りにはいない。だとしたら、自分で探偵のように後でもつけるしかない。
「先輩、ちゃんと女の子に見えます?」
僕はポーズをとってみせる。
「馨くん……、どうしちゃったわけ?」
何、言ってるんだか。元々これを着せたのは先輩じゃないか。
僕は我が身を振り返る。
ヘアピースをつけ、セーラー服に身を包んだ僕は一応、女の子に見える。
それもそれなりに可愛い、というレベルの。
男としてのプライドはさておいて、それが自分に与えられた特性なら、それはとことん利用すべきだと思う。
「どうですか?」
「いや、すごく可愛いよ。でもどうするの?」
「調べないと。あいつらのこと」
「調べる?」
「そう。隙を探します」
「隙?」
「殺すための」
「そう。変装なんだ。それ」
「そうですよ。ひょっとして僕が何か変なことに目覚めたと思いましたか?」
「うーん。ちょっとね。ま、そういうことならよかった」
にこりと笑う。
その笑みは、それがたとえ触れられないものだと知っていても、とてもいとおしいものだった。
「馨くんが変態さんになっちゃったと思ったよ」
それは余計な言葉だ。先輩。




