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ベッドの上。
先輩は僕のベッドの上で寝ていた。
幽霊にとって、「寝る」ことが必要なのかどうかはわからない。
だけど、明らかに先輩は寝ていた。
僕はその横に座り、頭の中を整理する。
幽霊を信じるかどうかの問題はもはや何の意味も持たない。
今、ここに先輩がいる以上、僕の今までの常識など何の意味もない。
これが僕の幻覚じゃないっていう保証はないけど。
でも、幻覚だろうが何だろうが、先輩は今、ここにいるのだ。
それ以上でも以下でもない。
先輩は制服を着ている。
もし、これが幻覚だとしたら、制服を着ているというのは僕の願望なんだろうか。
いや、少なくとも僕にとっては先輩イコール制服のイメージはたしかにある。
だけど……。
とりあえず、起きるまで待とう。
今の僕なら待てる。
ゆっくりと。
待とう。
「ん……」
寝返りを打った。
そして、ゆっくりと目を開けた。
「馨くん。あたしが見える?」
「はい。見えます」
先輩は笑った。
「あたしの話、聞いてくれる?」




