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65章 彼誰時―――5:00:00
微かな常夜灯の点る二号車を進む、一つの影。
「こんな時間に呼び出して、今度は一体何をやるつもりなんだか……」
欠伸混じりのテノール。それでも掌中のメモの指示に従い、無人のバーを抜けた。
そのまま目の前のドアを開き、懐中電灯片手に豪風吹き荒れるベランダを通過。気圧の関係か、今夜は一層風が強かった。
時間帯が時間帯なので、当然道中誰にも会っていない。この先にある運転車へ駆け込まない限り、何があってもまず助けは来ないだろう。―――と、歩みが止まった。どうやら目的地到着のようだ。ライトで辺りを照らし、待ち人を捜す。
「全く、人を呼んでおいて……隠れてないで出て来て下さ」ドンッ!「わっ!」バタン!!
短い悲鳴と、連続で起こる激突音。場を離れていく軽い足音を最後に、キッチンは再び静かな沈黙と暗闇に満たされた。




