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Fランクダンジョンの平和な日常〜ダンジョンコアになって十数年いろんなことがありました〜  作者: 弌黑流人
【第一部】 第四章 マグマ下の秘密と火竜の育成計画

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第39話 王国の迷える羊たちと、アムネの「心のサウナ」。

 ご拝読ありがとうございます。いいですなぁ…、メンタルクリニック。ほんとに必要だと思います。しみじみしちゃいますので、公私混同の官僚たちによる予算確保!!いいのか?いいのかそれで!ダンジョンコアに悪意はないので安心して保養地扱いして構わんのだが(汗)

それは良いこととして、次回は、「子供たちのためのダンジョン遠足と、火竜の幼体がうっかり地上に顔を出してしまう(?)ハプニング」をお送りします!!乞うご期待!!

 平和が定着した『火熱の迷宮』。今日、入り口に現れたのは、いつもの冒険者や近所の老人たちではなかった。


 バルカス爺さんに連れられてやってきたのは、高級そうなローブに身を包み、しかし顔色は土色で、目の下に深いクマを作った男たち――王国の国政を担うエリート官僚たちである。


 「バルカス殿……本当にここで、我々のこの『溜まりに溜まったストレス』が解消されるのですか?」

「ああ、閣下。ここは今や王宮よりも安全で、王宮のサウナよりも『ととのい』ますぞ」


 彼らは国王の弟、ゼノスの不祥事の後始末や、領地の再編などの激務で、心身ともに限界を迎えていた。いわば、「現代社会の縮図」のような疲れ果てた羊たちだ。


 俺は彼らのために、コアルーム横に特設の『癒やし相談室』を用意した。


 担当するのは、もちろんととのいの精霊アムネだ。


「はーい、お疲れの皆さん!まずはこの『アムネ特製・地脈ハーブティー』をどうぞ!」


 アムネが精霊の力で淹れたお茶は、口に含んだ瞬間に凝り固まった脳を解きほぐすような香りが広がる。


 「……あ、ああ……書類の山が……遠のいていく……」

 「アムネさん、聞いてください。上司の無茶振りと、部下の突き上げが……」


 官僚たちは、精霊の無垢な瞳を前に、次々と心のダムを決壊させた。


 アムネは「大変でしたねぇ」「頑張りましたねぇ」と相槌を打ちながら、彼らの精神的な不純物を、精霊の光で少しずつ浄化していく。


 「心の毒が出たところで、次は体の毒を出しちゃいましょう!」


 アムネに促され、官僚たちはサウナへと案内された。


 そこでは、俺が火竜の幼体の余剰熱を緻密に調整し、「官僚の疲労回復に特化した温度と湿度」を維持していた。


 「……おお……これが噂のロウリュウ……」

 「熱い、だが……心地よい……」


 サウナ、水風呂、そして外気浴。


 かつては王国の難解な法律を編纂していた鋭い頭脳が、今はただ「風が気持ちいい……」ということだけを考えている。


 彼らの頭上では、『火竜のたまご焼き(風)』の甘い香りが漂い、地下からはイグニスと火竜が遊ぶ心地よい「トントン」という振動が、極上のマッサージ器のように椅子を揺らしていた。


 数時間後。


そこには、見違えるように血色の良くなった、満面の笑みの男たちがいた。


 「素晴らしい……。バルカス殿、私は決めた。このダンジョンを『国家公認・官僚指定保養施設』として、予算を計上しよう」

 「私も、来月の休暇の予約を入れておきます!」


(フム。王国の頭脳を握る者たちが、俺のダンジョンの信徒になったか。これで政治的な介入もさらに難しくなるな)


 俺のシステムには、彼らが放った「最高品質の感謝EXP」が流れ込んでくる。戦闘による殺伐としたエネルギーとは違い、実にまろやかで安定したEXPだ。


 一方、出口では転売屋ザックが、彼らに向かって高級な「ととのい専用ローブ(王宮紋章入り、非公式)」を売りつけていた。


 「閣下!これこそが真の官僚の正装ですよ!これを着て会議に出れば、どんな難問も『ととのい』パワーで解決です!」


 ちゃっかり官僚たちからも金を巻き上げるザックに呆れつつも、俺は、また一つこのダンジョンの「安寧」が深まったことを確信していた。

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