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Fランクダンジョンの平和な日常〜ダンジョンコアになって十数年いろんなことがありました〜  作者: 弌黑流人
【第一部】 第三章 平和への挑戦者たち

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35/140

第35話 三連コア破壊と、平和の勝利。

 クラン【ととのいの鐘】の精鋭たちは、コアのダンジョンで鍛え上げた「心身の安定」と「高い耐久力」を駆使し、Aランクダンジョンの深部を突き進んでいた。


 第一班(『鉄の心臓』)を率いるセリカは、コアの結晶を前に立ちはだかった熱防衛モンスターを、氷結魔法で次々と凍らせていた。


 「このコアは、自分の利益のために、何の罪もない街の住民を危険に晒し、私の『ととのい』の場所を破壊しようとした!絶対に許さない!」


 セリカは、コアのダンジョンから持ち込んだ「高濃度の水風呂の水」で練り上げた最強の氷結魔法をコアに叩き込んだ。Aランクコアは一瞬で凍りつき、セリカの剣によって粉砕された。


 【警告:Aランク『鉄の心臓』コアの機能停止を確認。】


 同時刻。


 第二班(『砂塵の塔』)は、得意の精神耐性で幻影を無視し、第三班(『氷の要塞』)は、ロウリュウで鍛えた肉体で極寒を突破し、それぞれのAランクコアを同時に破壊した。


 【警告:Aランク『砂塵の塔』コアの機能停止を確認。】


 【警告:Aランク『氷の要塞』コアの機能停止を確認。】


 三連コア破壊という、前代未聞の偉業が達成された瞬間、Fランクダンジョンを目指して進撃していたモンスターパレードは、統率者を失い、その場で完全に動きを止めた。


 モンスター群がその場で崩れ落ちるのを見た街の猛者たちは、勝利の雄叫びを上げた。彼らが守り抜いた街に、再び安寧が訪れたのだ。


 彼らの傍らで、回復アイテムを配っていた転売屋ザックは、その様子を見て静かに安堵の息を吐いた。


 「フン。手間のかかる客たちだ。だが……これでまた、サウナと水風呂で金を稼ぐことができる」


 ザックは、自分が「無償で」街を救う手助けをしたという事実が、彼の転売屋としての評判を大きく覆すことを計算に入れていた。彼の評判は、一時的にではあるが、「危機を救った義理堅い商人」へと変化した。新たな顧客獲得と、汚名返上という、彼にとって最高のビジネスリターンを得たのだ。


 クリスタルコア内部。俺は、全ての警告が解除されたモニターを見つめ、静かに呟いた。


 「フム。俺の EXP ではなく、外界の『協力者たちの力』によって、俺の平和が維持された。最高の成果だ。」


 その直後、俺のシステムに元王国騎士団のベテラン、バルカス爺さんからギルドのポータルを使って連絡が入った。


バルカス:「コア殿!危機は去ったと確認しました。陛下への報告と、守備隊の派遣は、私からの使者が後押ししました。我々は、コア殿の『安寧の地』を守ることを誓います!」

リナ:「コア様!私たちやりました!街もダンジョンもは守りきりました!」


 俺は、ぶっきらぼうに承認した。


 「分かった。あんたらの貢献は、俺の EXP 収益と、俺自身の安寧に大いに寄与した。これより、リナ。お前を正式な『外部エージェント筆頭』とする。バルカス、あんたには『王国との連絡役』を頼む。今後、俺のダンジョンの平和と、この『火熱の迷宮』の安寧を維持するための協力体制を確立する。」


 Fランクダンジョンコア『火熱の迷宮』は、競合コアの陰謀を乗り越え、王族、冒険者、商人、そして街の住人という、外界の多様な勢力との強固な協力体制を築き上げたのだった。

 ご拝読ありがとうございます。Aランクダンジョンの攻略が淡白な描写になりましたが、メインはFランクダンジョンなので有りとします(汗)。それにしても、このダンジョンは愛されてますね。10余年にわたる実績への正当な評価なんでしょうね。素晴らしい。第三章はここで幕となります。次回からは、第四章に入り、火竜の幼体について話を進めていこうと思います。それでは次回からも、お楽しみに!!

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