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Fランクダンジョンの平和な日常〜ダンジョンコアになって十数年いろんなことがありました〜  作者: 弌黑流人
【第一部】 第三章 平和への挑戦者たち

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第29話 リナの再訪と、エージェントへの勧誘。

 そんな緊迫した状況の中、俺の入場センサーが、一つの懐かしい魔力を捉えた。

【入場者特定:リナ(Fランク冒険者)】

以前、男性三人のパーティーに加わり、卑劣な罠にかけられかけたあの少女だ。当時の彼女の魔力はか細く、経験値効率も最低だったが、今はFランクの上位に位置する、安定した魔力になっている。

(フム。あのとき、痺れ矢を敢えて外させ、男たちから離脱させるための**「非戦闘EXP稼ぎのヒント」**を与えたのが最後だったか。俺の指導は正しかった、という証明だ)

リナは迷わず、かつての自分が救われた**『デトックス・ハーブ採集エリア』**へと向かっていた。

今思えば、あれが命の救いだった

リナは、ハーブを慎重に採集しながら、周囲を警戒していた。そして、彼女は立ち止まり、静かにクリスタルコア(俺)がいる管理区域へと意識を向けた。

「コア様……いらっしゃいますか?」

俺は、クリスタルコアを浮遊させ、声をかけた。

「いる。貴様、なぜ再びこのダンジョンに来た。貴様のレベルなら、もうここに来る必要はないはずだ。」

リナは、驚くほどまっすぐな目でクリスタルコアを見つめ、深々と頭を下げた。

「コア様。今日、どうしてもお礼を言いに来ました。」

「お礼?何の EXP にもならない無駄な行為だ。」

「いいえ、無駄ではありません!私の命の恩人です!」 リナは力強く言った。

「あの時、私はパーティーメンバーだった男たちに罠にはめられ、襲われそうになっていたんです。あの『痺れ矢』が、私ではなく、彼らの動きを鈍らせ、私が逃げ出す時間稼ぎになったこと、後で全て気づきました。」

リナは続けた。「他のコア様なら、冒険者の死活など気にせず、ただ効率よくEXPを奪うでしょう。でもコア様は、私を死なせないために、あの罠を逆手に取った。そのうえ、**『戦闘せずに稼ぐ道』**まで示してくれた。あの時のコア様の判断と、平和へのポリシーのおかげで、私は今、こうして生きていられます!」

コアの新たな展望

(**フム。**俺の「平和主義」が、外界の悪意からも一人の命を守り、その上で成果を上げた。俺のポリシーは、外界でも通用する)

俺は、ぶっきらぼうに承認した。

「わかった。貴様の成長は、俺の指導の正しさを証明した。俺の EXP 効率は、外界でも通用する。貴様が成長したなら、もう用はない。早く帰れ。」

しかし、俺の頭の中では、新たな計画が動き始めていた。

(**待て。黒曜石のコアが、外界から俺のダンジョンを脅かそうとしている。俺には、外界の情報が必要だ。俺のダンジョンの『平和な運営』**を正当化し、守ってくれる存在が必要だ)

俺は、帰ろうとするリナを呼び止めた。

「待て、リナ。貴様は俺のダンジョンの『卒業生』だ。俺には今、外界の状況と、競合コアの動きを知るための『目』が必要だ。もし、貴様が俺の指示に従い、外界で活動してくれるなら、俺は貴様に『特別な恩恵』を与えよう。どうだ? 俺の『エージェント』**になる気はないか?」


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