ACT.Ⅲ 熾火「登場人物一覧」
■主要人物
◆ユリウス・ハルトマン(Julius Hartmann)
15歳。レイヴンズ・コール所属の整備兵。ACT2で負傷した右脚には痛みが残っているが、オペレーション・ファントムドーンの継続に伴い、整備・補給部隊の一員として前線へ復帰した。ACT3ではコンラートとエルザの関係に違和感を覚え、これまでの彼なら避けていた他人の過去へ踏み込んでいく。コンラートの死後、自殺を図ったエルザを制止したものの、それが本当に彼女を救う行為だったのか答えを出せずにいる。コンラートから託された「後悔するな」という言葉の意味も分からないまま、他人の生死へ介入することの重さを抱えることになった。本人は知らないが、コンラートの後任となるオルド搭乗員候補に推薦されている。
◆クラリス・フォーゲル(Clarisse Vogel)
18歳。レイヴンズ・コール所属のオルド操縦士。異常な神経リンク能力を持ち、ACT2の戦闘記録を軍上層部から注視されている。ACT3ではヴィクトル率いる主力部隊と行動することが多く、ユリウスとは別行動が続いた。旧工業区での戦闘後、ユリウスの生存を確認すると人目も憚らず抱きつくなど、彼を精神的な拠り所とする傾向が強まっている。本人はまだ、その感情が戦場で生まれた依存なのか、それ以上のものなのかを明確には認識していない。
◆リリィ・フォン・シュライフェン(Lily von Schleifen)
10歳。レイヴンズ・コール所属の後方オペレーター。通信、敵性反応、作戦進行を分析し、ファントムドーンが新兵の多さに反して低損害かつ順調に進みすぎていることへ早い段階から疑問を抱く。ユリウスからコンラートとエルザの通信を傍受したいと頼まれ、個人的事情を探ることへ難色を示しながらも、最終的には受信機を貸し出した。情報を知ることと、それによって他人の人生へ介入することの違いを理解しており、ユリウスの行動を見守る記録者でもある。
■レイヴンズ・コール(第十二独立戦闘群)
◆ヴィクトル・シュナイダー(Victor Schneider)
少佐。レイヴンズ・コールの指揮官。補充された新兵を含む部隊を率い、ファントムドーン継続作戦の前線指揮を執る。敵が意図的に後退し、ノイエ・アーク軍へ土地を明け渡している可能性を警戒している。旧工業区での奇襲後も確保地域を放棄せず、前線基地を維持したままフォート・グラーデンへ戦況報告に赴いた。拘留された搭乗員についてアウグストの追及をはぐらかす一方、戦死したコンラートの後任候補をすでに決定している。候補者はユリウスであり、推薦者は生前のコンラートだが、まだ本人には伝えていない。
◆コンラート・ヴェルナー(Konrad Werner)
レイヴンズ・コールのオルド操縦士。ぶっきらぼうだが情に厚く、部隊の若い兵士たちを不器用な形で気にかけていた。かつて愛した女性を戦場で失っており、その妹であるエルザから、姉を見捨てて生き延びた男として憎まれていた。真実を語らないまま彼女の憎悪を受け入れていたが、旧工業区での奇襲に際してエルザを庇い、致命傷を負う。最期に過去の真相を明かして彼女を逃がし、接近するスプロウトに肉体を奪われる前に拳銃で自決した。ユリウスへ「後悔するな」という言葉を残し、さらに彼を自らの後任搭乗員候補として推薦していた。
◆エルザ(Elsa/偽名)
ファントムドーン再開に伴う補充で加わったオルド操縦士。「エルザ」という名は偽名であり、本名は明かされていない。正体は、コンラートがかつて愛した女性の妹。姉がコンラートに見捨てられて死んだと信じ、長年にわたって彼を憎んでいた。戦闘中には互いを避けながらも、その位置や安否を意識し続けている。旧工業区でコンラートに庇われた際、姉が彼を見捨てたのではなく、彼を生かすため自ら残ったという真相を知らされる。コンラートの死後、血に濡れたまま帰還し、ユリウスへ「後悔するな」という最期の言葉を伝えた。その後、自らの拳銃で命を絶とうとするがユリウスに阻止され、現在は治療と監視を兼ねて拘留されている。オルド搭乗員資格も一時停止中。
◆エミール・フォルクナー(Emil Falkner)
整備班長。口は悪いが面倒見のよい熟練整備兵であり、引き続きユリウスの上司を務める。補充兵を含む多数の機体を限られた物資で稼働させながら、前進する部隊の整備を支えている。作戦が順調な時ほど油断すべきではないという現場感覚を持ち、旧工業区でも若い整備兵たちを戒めていた。
◆リカルド・メンデス(Ricardo Mendes)
整備班副班長。前線へ進出する整備・補給部隊を支える実務担当者。敵の待ち伏せや砲撃の最中でも冷静に行動し、負傷した脚を抱えるユリウスを支援する。ヴィクトルの意図を完全には理解していないものの、命令を現場で成立させる役割を担っている。
◆エルンスト・バウマン(Ernst Baumann)
レイヴンズ・コール所属の整備兵。無精ひげと気の抜けた態度は変わらないが、整備技術は確か。補給不足と連日の前進が続く中でも軽口を絶やさず、張り詰めた整備班の空気を和らげている。
■ヘルダイバーズ(第七機動歩兵隊)
◆レオポルド・シュトラッサー(Leopold Strasser)
ヘルダイバーズの隊長。ヴィクトルとは軍学校以来の旧知であり、理想よりも部下の生存を優先する現実的な指揮官。ファントムドーン継続作戦でも機動歩兵を率い、オルド部隊と連携して市街地および旧工業区の確保を進める。ヴィクトルと同様、表向きの戦果だけで作戦の成功を判断してはいない。
◆ライナー・ヴォルフ(Rainer Wolf)
17歳。ヘルダイバーズ所属の新兵。寡黙だが責任感が強く、亡き姉貴分フリーダの記憶を胸に前線へ立ち続けている。戦場へ適応しながらも、失った者の存在を忘れずに生きる若い兵士の一人。
◆エーリヒ・シュタイン(Erich Stein)
ヘルダイバーズ所属の兵士で、ライナーの相棒。常に冷静で、感情に流されるライナーを現実へ引き戻す役割を担う。フリーダを失った過去を共有しながら、ライナーと共にファントムドーンの前線へ参加している。
■ノイエ・アーク軍・政治関係者
◆アウグスト・ヴァレンシュタイン(August Wallenstein)
大佐。フォート・グラーデンの基地司令。前線の損害を数字として処理する冷徹さと、戦況全体を見渡す現場感覚を併せ持つ。ヴィクトルから、ファントムドーンが想定範囲内の損害で進行し、攻略推定範囲の約八割を占領したとの報告を受ける。前線で自殺未遂を起こしたオルド搭乗員が拘留されているという噂にも気づいている。コンラートの後任についてヴィクトルを問い詰めるが、候補者の名前までは知らされていない。
■その他の人物
◆エルザの姉
故人。かつてコンラートが愛した女性であり、エルザの姉。過去の戦闘でコンラートを生かすため自ら戦場へ残り、そのまま命を落とした。事情を知らないエルザには、コンラートに見捨てられたと誤解されていた。彼女の選択と死は、コンラートとエルザの双方を長年にわたって縛り続け、ACT3の悲劇の発端となった。




