第27話 そのままで
夜。
静か。
⸻
主人公
「……普通だね」
⸻
ベッドに入る。
⸻
電気を消す。
⸻
少しして
⸻
猫
来る。
⸻
主人公
「今日は早い」
猫
無言。
⸻
いつもの場所。
⸻
少しだけ間をあけて座る。
⸻
主人公
「その距離、好きだね」
⸻
猫
動かない。
⸻
⸻
しばらく沈黙。
⸻
主人公
「……」
⸻
視線。
⸻
部屋の入り口。
⸻
あの場所。
⸻
暗いまま。
⸻
主人公
「……」
⸻
少し見て
やめる。
⸻
主人公
「今日はいいや」
⸻
⸻
猫
ぴく
⸻
少しだけ
主人公に近づく。
⸻
主人公
「……聞かない方がいいでしょ」
⸻
猫
「…にゃ」
⸻
主人公
「だよね」
⸻
⸻
横になる。
⸻
猫
少しだけ遅れて
横に来る。
⸻
ぴたっ
ではない。
⸻
でも
離れてもいない。
⸻
主人公
「ちょうどいいね」
⸻
猫
動かない。
⸻
⸻
静かな時間。
⸻
主人公
「……ねえ」
⸻
猫
ぴく
⸻
主人公
「名前」
⸻
一瞬。
⸻
猫
ぴたっ
動きが止まる。
⸻
主人公
「やっぱりさ」
⸻
少し間。
⸻
主人公
「いらないかもね」
⸻
猫
ゆっくり
力を抜く。
⸻
主人公
「呼ばなくても来るし」
⸻
猫
「…にゃ」
⸻
主人公
「それでいいか」
⸻
⸻
目を閉じる。
⸻
猫
少しだけ
近づく。
⸻
⸻
主人公
「……ありがと」
⸻
猫
無言。
⸻
でも
離れない。
⸻
⸻
結局
この猫のことはよくわからないままだけど、それでも困らないくらいには、そばにいるのが当たり前になっている。
そして
名前がなくても、この距離はちゃんと成立しているらしい。




