第24話 気にしないこと
朝。
光。
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主人公
「……普通」
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伸びをする。
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横を見る。
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猫
いない。
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主人公
「珍しい」
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起き上がる。
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リビングへ。
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猫
いる。
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主人公
「そっちなんだ」
猫
無言。
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ソファで丸くなっている。
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主人公
「昨日あんな感じだったのに」
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猫
動かない。
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主人公
「普通だね」
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猫
「…にゃ」
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主人公
「だよね」
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キッチンへ。
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水を飲む。
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ふと
視線。
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リビングの入り口。
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何もない。
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主人公
「……」
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少しだけ見て
やめる。
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主人公
「気にしない」
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そのまま戻る。
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猫
まだ同じ場所。
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主人公
「動かないね」
猫
無反応。
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主人公
「今日は休み?」
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猫
しっぽだけ動く。
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主人公
「何のだろ」
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少しして
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主人公
ソファに座る。
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猫
少しだけ近づく。
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主人公
「来るんだ」
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猫
そのまま隣に座る。
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でも
くっつかない。
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主人公
「今日はその距離ね」
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猫
「…にゃ」
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主人公
「了解」
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静かな時間。
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主人公
「……昨日さ」
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猫
ぴく
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主人公
「やめとく」
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猫
何もなかったみたいに座る。
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主人公
「そういう感じだよね」
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少しして
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主人公
「じゃあさ」
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猫
耳だけ動く。
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主人公
「こういう普通の日なら——」
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猫
じっとする。
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主人公
「名前くらい——」
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一瞬。
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猫
すっと立ち上がる。
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主人公
「あ、やっぱりね」
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猫
距離を取る。
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主人公
「ブレないなぁ」
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猫
「…にゃ」
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主人公
「そこだけはね」
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そのまま
また隣に戻ってくる。
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主人公
「それは来るんだ」
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猫
無言。
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結局
昨日のことは何もなかったみたいに戻ったけど、あの場所だけはなんとなく見ないようにしている。
そして
この猫は相変わらず、名前だけは絶対に許してくれない。




