第21話 なんでもない日
朝。
光が入る。
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主人公
「……眠い」
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体を起こす。
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横を見る。
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猫
いる。
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主人公
「普通にいるね」
猫
無言。
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ベッドの真ん中。
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主人公
「そこはもう固定なんだ」
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猫
動かない。
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主人公
「どく気ないでしょ」
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猫
「…にゃ」
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主人公
「だよね」
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起き上がる。
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リビングへ。
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朝の空気。
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主人公
「……」
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ふと
床を見る。
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昨日の場所。
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何もない。
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主人公
「……気のせいか」
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少し立ち止まる。
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でも
そのままキッチンへ。
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コップに水を入れる。
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飲む。
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主人公
「普通だな」
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後ろ。
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猫
ついてきている。
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主人公
「珍しくない?」
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猫
無言。
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足元に座る。
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主人公
「朝は来るタイプ?」
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猫
しっぽだけ動く。
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主人公
「そのルール初めて聞いた」
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少しして
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主人公
「ねえ」
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猫
顔を上げる。
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主人公
「昨日さ」
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猫
ぴく
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主人公
「……やっぱいいや」
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猫
何もなかったみたいに座る。
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主人公
「聞いても教えないでしょ」
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猫
「…にゃ」
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主人公
「だよね」
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そのまま
静かな朝。
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主人公
「まあでも」
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猫
ちらっと見る。
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主人公
「こうやって来るなら」
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少し考える。
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主人公
「名前、あっても——」
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猫
すっと立ち上がる。
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主人公
「あ、早い」
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猫
そのまま離れる。
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主人公
「まだ最後まで言ってないけど」
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猫
振り向かない。
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主人公
「察しがいいねほんと」
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少しして
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猫
また戻ってくる。
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主人公の足元。
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主人公
「そこは来るんだ」
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猫
「…にゃ」
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主人公
「条件厳しいなぁ」
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結局
この猫は普通にそばにいるけど、名前の気配を感じるとちゃんと距離を取る。
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そして
昨日のことは、やっぱり何もなかったみたいにしている。




