第18話 いない夜
夜。
静か。
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主人公
「……遅いな」
時計を見る。
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いつもなら
もう来てる時間。
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主人公
「今日は来ない日か」
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ベッドに入る。
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電気を消す。
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目を閉じる。
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……静かすぎる。
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主人公
「……こんなだっけ」
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寝返りを打つ。
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隣は
空いたまま。
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主人公
「まあ、別に」
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少し間。
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主人公
「……暑いわけでもないのに」
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起き上がる。
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部屋を見る。
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いない。
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主人公
「ソファ?」
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いない。
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主人公
「床?」
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いない。
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主人公
「……ほんとにいないのか」
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少しだけ
ため息。
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主人公
「探すほどでもないけど」
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でも
ドアを開ける。
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廊下。
暗い。
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主人公
「……」
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少し待つ。
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何も来ない。
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主人公
「呼べないしな」
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少し笑う。
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主人公
「名前ないし」
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部屋に戻る。
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ベッドに座る。
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主人公
「……こんな広かったっけ」
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横になる。
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目を閉じる。
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しばらくして
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物音。
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主人公
「……!」
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体を起こす。
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ドアの方。
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何もいない。
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主人公
「……やめてよ」
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小さく呟く。
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静か。
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そのまま
少し時間が過ぎる。
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主人公
また横になる。
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目を閉じる。
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ぴたっ
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主人公
「……」
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腕に
いつもの重さ。
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ゆっくり目を開ける。
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猫
いる。
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主人公
「……遅い」
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猫
無言。
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主人公
「どこ行ってたの」
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猫
何も答えない。
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主人公
「……別にいいけど」
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少し間。
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主人公
「来ないかと思った」
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猫
小さく
「…にゃ」
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主人公
「それだけ?」
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猫
動かない。
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でも
いつもより少しだけ
近い。
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主人公
「……今日だけだからね」
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猫
無反応。
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主人公
「こういうの」
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猫
しっぽが少し動く。
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主人公
「名前、あった方がさ」
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一瞬。
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猫
ぴたっ
動きが止まる。
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主人公
「……あ、今の無し」
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猫
何事もなかったように
「…にゃ」
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主人公
「ほんと徹底してるね」
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そのまま
目を閉じる。
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猫
離れない。
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結局
この猫はいないと少しだけ困るけど、名前だけは絶対に許してくれない。




