↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
第零隔離区ー特異感染者と呼ばれた少年ー  作者: 茅ヶ崎 真
懐かしい場所で

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
41/42

第41話 戦闘開始

女性から離れその先を進んでいると、通信機から橘の声が響いた。


『小瀧隊員。この先にある高校で、感染者を確認しました。』


「数は?」


『数は……多すぎて、正確に把握できません。現在、早乙女隊員と不知火副隊長が応戦しています。手の空いた隊員から順次そちらへ向かってもらいますので、小瀧隊員は先に二人の援護をお願いします。』


「了解。…一ノ瀬、聞こえたか?」


(この先の高校って……まさか。)


嫌な予感がする。この辺りにある高校の数は多くない。


「一ノ瀬?」


小瀧が少し心配そうに声をかけるが、雪斗には返事をする余裕などなかった。


(違ってくれ…。)


そう願う。ただの偶然であってほしい。

けれど…こういう時に限って――

外れてほしいと思った予感ほど、当たってしまうものなのだ。

小瀧と急いで向かい、到着した正門を見上げると見覚えのある高校が構えていた。


「……ここ、一ノ瀬が感染した高校じゃねぇか。」


ここまで来ると、流石の小瀧も思い出したようだ。

感染した場所でもあるが、小瀧が雪斗を助けた場所でもある。


「前回もここで感染者が発生…今回に限っては大量に?…初めてだな。」

 

――ガシャァンッ!!


「!!?」


突然、校舎三階の窓ガラスが大きな音を立てて砕け散った。大量のガラス片が宙へ舞い、その中から人影が飛び出した。


「――梓さん!?」


三階から落ちてきたのは、第一部隊隊員の早乙女 梓だ。普通なら大怪我になるところだが、早乙女は地面へ叩きつけられる寸前に能力で風を操り、自身の身体を包みこむと落下の勢いを大きく殺した。


ドサッ。


「梓さん!!」


小瀧と雪斗が駆け寄ると、早乙女は苦しそうに身体を起こした。


「いってて…あぁ…雪斗くんに小瀧隊員……。」


「大丈夫ですか!?」


「ははっ。大丈夫、大丈夫。風で着地の衝撃は和らげたから。」


そう言って笑うと、すぐに校舎へ視線を戻した。


「そんなことより、不知火副隊長の応援に行って!」


校舎の中からは、不知火が放っているであろう炎の光が見える。


「分かった。一ノ瀬。お前はここに――…」


「俺も行きます!行かせてください!」


「……。」


「お願いします…!」


先程は小瀧の指示に従ったが、今回は拒否した。自分が行って何の役に立つかは分からない。なんなら足手まといかもしれない。しかし、自分の大好きな高校を好き放題にされて、黙っていられなかったのだ。

小瀧もそんな雪斗の気持ちを察したのか、やがて小さく舌打ちをした。


「……チッ。死ぬなよ。」


「はい!」


「…急ぐぞ。」


小瀧が校舎へ駆け込み、置いてかれないよう雪斗も必死にその背中を追いかける。


「不知火副隊長に暴れられると、この校舎が火の海になる。それだけは避けたい。」


「え!?は、はい!」


二人は廊下を駆け抜ける。校舎内は酷い有様だった。

壁には大きな亀裂が入り、窓ガラスはあちこちで割れている。廊下には机や椅子が散乱し、天井からは細かな埃が舞っていた。二段、三段と飛ばすように階段を駆け上がる。すると上階へ近づくにつれ、激しい物音が聞こえてきた。


――ドンッ!

――ガシャァンッ!


「……!」


階段を駆け上がった先にある、廊下の中央。

不知火が一人、複数の感染者を相手に戦っていた。その周囲には、赤々とした炎が渦巻いている。炎は壁や天井へ燃え移る寸前で揺らめき、廊下全体を赤く照らしていた。不知火は周囲の状況を確認しながら、炎の勢いを巧みに抑えている。


「!小瀧か。遅いぞ!」


小瀧に気付いた不知火は、少し安心したのか口角が上がっている。


「加勢します。」


「よし!俺は手前の奴らをやるから、小瀧は奥にいけ!」


「了解。」


校舎を焼き尽くさないよう抑え込まれた炎が、静かにその勢いを増していく。


「来るぞ!」


そして感染者たちが一斉に襲いかかってきたと同時に、不知火が一歩前へ出て右手を掲げる。


ゴォッ!!


手のひらから勢いよく炎が噴き出した。目の前にいた感染者へ向かって、炎が一直線に走る。


「小瀧!行け!」


「了解。」


小瀧が地面を蹴り、炎に怯んだ感染者の横を一瞬で駆け抜けていく。そしてそのまま感染者を次々と切り裂いていった。


――ズッ。


次…そのまた次…と、次の標的へ向かって走り続けている。

一体。また一体と、炎の間を縫うようにして、次々と感染者との距離を詰め刃を向ける。まるで炎が、小瀧のために道を作っているかのようだった。


「……すごい。」


雪斗は思わず呟いた。

不知火が敵の動きを制限し、小瀧がその隙を正確に突く。二人とも、まるで互いの動きを理解しているようだ。


「しまっ――!」


そのとき、不知火の表情が変わった。

炎を避けた感染者が、一体だけ雪斗へ向かって走ってきたのだ。


「一ノ瀬!」


不知火は咄嗟に手を伸ばし、炎を放った。


――ゴォッ!


だが、届かない。しかしこれ以上、炎の勢いを強めれば雪斗まで巻き込んでしまう。


「……!」

(やばいっ…!)


――ヒュッ!


その瞬間、風を切る音が耳元で聞こえた。

一本の矢が、感染者へ向かってまっすぐ飛んできたのだ。矢は、狙い違わず感染者の動きを止める。雪斗は呆然としたまま、矢が飛んできた方向へ振り返った。

廊下の奥…そこにいたのは、弓を構えた早乙女だった。


「良かった…間に合った……。」


「梓さん!」


「早乙女!!生きてたのか!来んの遅ぇぞ!」


「勝手に殺さないでくださいよ!」


不知火の言葉に、早乙女がむっとした顔で言い返す。


「だいたい、私は遠距離専門なんですよ!?本来なら校舎の外から狙うべきなのに!!」


「分かった分かった!文句は後で聞くから手伝え!」


「…五十嵐隊長にチクってやる。」


さっきまで張り詰めていた空気が、ほんの少しだけ和らいだ。

だが――。

廊下の奥から、再び複数の足音が響いてくると早乙女の表情が変わった。


「……また来ますよ。」


「あぁ。いくぞ、早乙女。」


「了解!」


(すごい…。)


早乙女が参戦し、戦いは再開された。

そして三人が感染者を相手に戦い続ける中、雪斗はふと視線を横へ向けた。

廊下の窓……。反対側の校舎に何かがいる。目を凝らすと、割れた窓ガラスに一瞬だけ人影が映った。


「……感染者?」


黒い影。それは人のようにも見えた。


「梓さん!あっちに――!」


しかし、声は届かない。

不知火の炎が爆ぜる音や感染者の叫び声のせいで、雪斗の声は完全にかき消されてしまっていた。


「……。」


雪斗はもう一度反対側の校舎を見る。すると、その人影が教室へ入っていくのが見えた。

――行かなきゃ。

なぜか、そう思った。単独行動しちゃいけないのは分かっている。鷹宮にも、小瀧にも散々言われたことだ。


「…すぐ戻れば大丈夫か。」


理由は分からない。ただ、あの人物を見逃してはいけない。

――そんな気がした。

廊下を思い切り走り、渡り廊下へ向かう。そして反対側の校舎へ入った瞬間、思わず足を止めた。


「……。」


そこは、先ほどまで不知火がいたのだろう。

壁は黒くすすけており、床には焦げ跡が残っていた。窓ガラスにいたってはほとんど割れている。


「……ここだよな。」


――視聴覚室。

先ほど窓に映った人影は、この中に入ったはずだ。覚悟を決め、ゆっくりと扉を開ける。


ガララ……。


薄暗い室内は、だいぶ荒れていた。燃えたあとはないが、戦闘に巻き込まれたのは誰が見てもわかる。雪斗は慎重に中へ入った。


「……だれ?」


(気付かれた!?)


部屋の奥にいた人影がこちらに気付き、声をかけてきたのだ。嫌な声…しかし、それは聞き覚えのある声だった。


「……あぁ。君か。」


「……!」


身体が震えた。足がまったく動かない。目の前にいる男は、どこか気の抜けたような表情をしている。忘れるはずがない。忘れられた日など一日もないのだ。


「ナ……ナギ……。」


「えー。名前、覚えててくれたの?嬉しいー。」


まるで、久しぶりに友人と再会したかのような軽い口調だ。不気味さを感じる。


「なんで……ここに……。」


「んー?ちょっと用事があってねー。でも、もう終わったー。」


「終わったって……?」


雪斗は恐怖からか無意識に一歩後ずさる。ナギはそんな雪斗を見て、クスっと笑った。


「ははは。そんなに警戒しなくても。」


「警戒するだろ…!お前…俺に何したと思ってる……!」


あの日の記憶が蘇る。

古川からカウンセリングを受けても、完全には治らない深い心の傷。その原因を作った張本人が目の前にいる――。


「分かってるよー。ごめんね?やりすぎちゃったよね。」


あまりにも軽い謝罪だ。だが、その態度がかえって雪斗の恐怖を煽った。


「もしかして身体に傷とか残っちゃったー?」


そう言って、雪斗へ手を伸ばした。


「……っ!」

(触るな…!)


逃げなきゃいけないのに――身体が動かない。

あの時の記憶が蘇り、足が床に縫い付けられたように動かなかった。ナギの指先が、ゆっくりと近づいてくる。


――バキバキバキッ!!


その瞬間、廊下の奥から氷が一気に押し寄せるような音が響いた。


「……!おっと。」


ギリギリの所でナギは避けることが出来たが、床には分厚い氷が迫っていた。


「危ないなぁー…。」


「ひ…氷室隊長……!」


振り返ると、第零部隊副隊長の氷室が入口のところに立っている。こめかみには血管が浮かんでいた。身体からは白い冷気が立ち上り、誰の目から見ても怒っているのは確かだった。


「おー怖い怖い。待ってよ。俺は彼を心配して――…。」


「黙れ。」


周囲の温度が、さらに下がる。


パキッ。


床に張った氷が音を立てて広がっていく。


「……。」


氷室が無言で手を掲げると、周囲に無数の氷の破片が浮かび上がった。そのすべてが、ナギへ向けられる。


「貴様を始末する。」


「分かった分かった。もう帰るからさー…。」


「逃がすと思うか?」


「思ってないよー。」


氷室が腕を振ると、無数の氷片が一斉に放たれた。…しかし一歩遅かった。ナギの姿が一瞬で消えたのだ。氷片が誰もいない場所を通り抜け、壁へ突き刺さる。


「……セツの能力だ。」


雪斗が小さく呟いた。

対象を“回収登録”すると、位置情報を把握でき条件次第でセツの元へ送られる。


(きっとそうだ…。)


「一ノ瀬。」


「!……はい。」


「お前は第零部隊の誰かと行動を共にしなければならないはずだ。何故一人でこんなところにいる。」


「ひ…人影が見えて…。それで気になってここに…。すみません。」


「………。」


――パァンッ!


「……え?」


乾いた音が響いた。

頬に走った感覚に雪斗は呆然とする。…氷室に頬を叩かれたのだ。あまりの驚きに、理解するまで少し時間がかかった。氷室は相変わらず無表情だが、冷たい目で雪斗を見つめている。


「貴様の勝手な行動で、どれだけ周囲に迷惑がかかると思っている。」


「すみませ――…。」


「あの男に何をされたか、もう忘れたのか。」


「……いえ。」


忘れるはずがない。今でも夢に出てくるぐらいだ。


「上から出された指示は絶対だ。違うか?」


「いいえ…。」


「しかし、お前から目を離した小瀧にも非がある。このことは鷹宮隊長に報告させてもらう。」


「え!?待ってください!小瀧さんは……!」


「関係ある。お前を任された以上、責任はあるからな。」


「……。」


雪斗は思わず唇を噛む。自分が勝手に動いた。それなのに、小瀧まで責任を負ってしまうなんて。


「申し訳ないと思うなら、二度と勝手な行動を起こすな。……いいな?」


「……はい。」


雪斗は小さく頷くと、氷室はそれ以上何も言わず踵を返す。


「来い。…はぐれないようにな。」


「……はい。」


雪斗と氷室が合流した頃には、戦場はさらに混乱していた。不知火は炎を操りながら、次々と感染者を退けている。


「くそ……!」


だが、その動きには明らかな疲労が見え始めていた。

額には汗が浮かび、呼吸も荒い。遠くから弓を構えていた早乙女も心配するほどだ。


「不知火副隊長!大丈夫ですか!?」


「……問題ねぇ!」


そう答えるものの、不知火の足元がわずかによろめいた。


「問題あるじゃないですか!」


早乙女は持っていた弓を下ろすと、腰のナイフに持ち替え、急いで不知火のもとへ駆け寄った。


「ちょっと休んでください!また脱水で倒れちゃいますよ!」


「休んでる暇なんかねぇだろ……!」


ゴォッ!!


不知火が手を上げると強烈な風圧が巻き起こり、感染者たちをまとめて吹き飛ばした。


「…はぁ……はぁ……。」


しかし、廊下の奥からまた別の感染者が姿を現す。


「……キリがない。小瀧はどうした…。」


「小瀧隊員も苦戦しているんですよ。」


早乙女がナイフを握り直す。そして今度は風を起こし、自身の周りにいる感染者を吹き飛ばすがやはりキリがない。そのとき、倒したと思っていた感染者の一体が突然起き上がり、早乙女へ向かって飛びかかっつきた。


「きゃっ……!!」


――ヒュンッ!!


空気を裂く音が聞こえたかと思えば、感染者の動きが止まった。感染者の背中には、一本の氷の槍が突き立っている。


「……え?氷…?」


氷の槍が飛んできた方向に目をやると、そこに立っていたのは氷室だった。


「氷室副隊長おおぉぉ……!」


「早乙女隊員、大丈夫か?」


先程までの不安そうな表情は消え、早乙女の目はキラキラ輝いている。


「はぁ…かっこいいぃ…。」


氷室は一瞬、何とも言えない表情を浮かべ視線を不知火へうつした。


「不知火を庇っていたのか?」


「はい!…と言っても、私だけじゃ守りきれませんでした…。」


「いや、私が来るまでよく耐えた。ありがとう。」


「うううぅぅ……!やっぱ好きいぃぃ…!」


早乙女が胸元を押さえながら苦しそうにしている。氷室は聞かなかったことにし、今度は不知火へ話しかけた。


「おい。動けるか?」


「……うるせぇ。来んの遅すぎんだよ、ボケェ……。」


「無駄口を叩けるなら大丈夫だな。」


「……チッ。」


だが、不知火は能力を使いすぎたせいで苦しそうにしている。しかし未だに廊下の奥からは、感染者が次々と現れていた。


「早乙女隊員。」


「はい!」


「不知火と一緒にここを離れろ。私は小瀧の応援に向かう。」


「え!?そんなっ…!危険すぎます!」


「安心しろ。もうすぐ五十嵐隊長も合流する。」


「氷室副隊長ぉ…。」


「ふっ。大丈夫だ。悪いが頼まれてくれるか?」


「……うぅ。分かりました。」


本当は残って共に戦いたいが、氷室からの頼みとなると断れない。早乙女は不知火へ手をかざすと、ゆっくり風を起こした。


ヒュウウゥ…


不知火の周囲に風が渦巻き、身体がゆっくりと宙へ浮かび上がる。


「一ノ瀬、お前もだ。」


「……はい。」


「早乙女隊員と一緒に出ろ。」


「…分かりました。」


氷室はその返事を確認すると、再び戦場へ向かって走り出した。


「じゃあ行こっか。近くの小学校に医療班が来てるはずだから、そこに行こう。」


「はい。」

 

こうして三人は校舎を出て、小学校へ向かった。

その道中、最初は「何だこの運び方!」と文句を言っていた不知火だったが、途中で力尽きたのか小学校に着く頃には意識を失っていた。早乙女いわく、毎回倒れるまで能力を使うから心配しなくていいよとのことだ。

そして小学校に着きしばらく歩くと、校庭の向こうに体育館が見えてきた。


(人がたくさんいる…。)


入口には、何人もの警備隊が立っていた。そして体育館の中には想像よりも多くの人がいた。

床に敷かれた簡易ベッドがいくつもあり、応急処置を受けている人もいる。テントで囲っているブースには、重傷者がいるのだろうか…。


「私は不知火副隊長を寝かせてくるね。雪斗くんも頬っぺた赤くなってるし、手当てしてもらいなよ?」


風に支えられた不知火を連れ、早乙女が奥へ向かう。

雪斗は一人、その場に残った。氷室に叩かれた頬はもう痛くない。手当など受けずとも、時期に赤みも引くだろう。


(あの女の人は大丈夫だったんだろうか…。)


少し気になり近くの医療班に聞こうと歩き出したとき、突然背後から声をかけられた。


「すみません。包帯ってありますか?」


「え?」


なぜ俺に…?と思ったが、戦闘用の服を着ているせいだろう。


「包帯なら、あっちにいる医療班の――…」


質問に答えながら、ゆっくりと振り返った。


「……え。」


ゴーグルにマスクをしているせいで、目元でしか雪斗だと判断できないはずだ。

それでも…長い付き合いだ。彼女が雪斗を見間違えるはずがない。


「ゆ……雪斗……?」


「……!」


(ま……まどか?)


吉野まどか。

あの日から会えずにいた、俺の大事な幼なじみだ。ずっと会いたかったはずの人――なのに。俺は思わず顔を逸らしてしまった。


「ゆ……雪斗だよね?」


「……。」


「なんで…ここに?」


「ひ…人違いです。」


自分でもびっくりした。素直に“会いたかった!”という言葉が出てこなかったのだ。それどころか、自分が雪斗だとバレてはいけない気がした。

雪斗自身が前例のない特殊な感染者であること。いつこの能力が暴走するか分からないこと。そしてそんな俺を狙っている奴がいること。


(まどかを、巻き込む訳にはいかない…。)


「そんなわけない!わたしが雪斗を間違えるはずないでしょ!?何年一緒にいると思ってんのよ!」


「……。」


(まどか…。)


聞きたい。両親のこと。友人のこと…。

でも声が出ない。まるで喉になにか引っかかっているみたいだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。