表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生対決~神々に巻き込まれた魂たち~  作者: ヨロヌ
弁護士『ドゥーシュ』 対 無職『シンゲツ』

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

25/30

ねえ、誰なの?怖いよ!!


「き……貴様、誰じゃ!?」


突如、診療所から帰宅途中のニノマエの前に現れた少女が言う。

誰?とはニノマエ視点の話でもある。

ニノマエ的には、幼さが残る金髪少女を見て、昔――前世の自分の息子を思い出した。


ふと、今更ながら息子はどうなったのか?と疑問を抱くニノマエ。

正確には、死後。息子の()はどうなったのか、という事。

自分の魂が別世界に流れて、虫になってしまったように。

息子の魂は、妻の魂も、何かおかしな事をさせられているのか。

そんな不安や焦燥感を掻き立てられた。


「――って。話を聞いておるのか!」


少女が再び呼び掛けたので、ニノマエは我に返った。


「お前は誰だ?」


「じゃから、それはコチラの台詞じゃ! ワシは『アイギス』を追ってここまで来たら……貴様にたどり着いた訳じゃ。ワシは『アイギス』と同じ擬人化されておる武器よ。同じ気配は分かるのだ」


「お前は、武器なのか?」


「ワシは『スリンゲルラント』! 元は雷鳴の神槍と呼ばれた雷の槍よ!!」


『スリンゲルラント』――愛称:ルラと呼ばれる彼女に、ニノマエは再び悩ませる。

どうやら、転生者たちと無縁であり。

『アイギス』の方と因縁がある存在だ。

となれば、魂云々の情報を引き渡す訳にはいかない。

だからといって、アイギスの魂を元に戻す訳にもいかない。


故に、ニノマエが出した決断は――


「そうか。私にはよく分からないが、こうなっていた」


「はあ!? よく分からんて」


「気づいたらこうなっていた。知識なども既に得ていたが、どうやら『擬人化』のスキルによるものらしい。だが、それ以上の事は分からない」


「ぬ、ぬう……? まさか、主以外の擬人化師の仕業か?? いや、しかし……」


ルラは釈然としないが、事実、アイギスは女性ではなく男性の姿で擬人化している。

規格外の能力による魂の入れ替えに気づかなければ、発想にも至れない。

しかし、それはそれでルラはある要望をしてきた。


「……ちと貴様に頼みがあるのじゃが。ワシと共に『ムゲン』と会ってはくれぬか……?」


「今度は誰だ?」


「ワシの姉弟(きょうだい)……いや、向こうは姉弟とも思っておらんだろうが。同じ主に擬人化された武器の一つじゃ」


「私と関係があるのか。正確にはアイギスと」


「い、いや、その……だの。貴様が()だから頼みたい」


「男」


「少し長い話になるが……」


ルラがかつて、擬人化された武器たちと擬人化スキルを持った『擬人化師』の昔話を語る。

ユニークスキル『擬人化』を持った男が、数々の武器を『擬人化』していった。


神槍『スリンゲルラント』

光盾『アイギス』

華杖(かじょう)『ユグドラシル』

焔剣(えんけん)『レーヴァテイン』

闇弓(あんきゅう)『ミストルテイン』

波槌(はづち)『ミョルニル』


これら6本は災害指定武器に認定され、厳重に封印されていたのだが、件の『擬人化師』が擬人化で彼女達を解放した事で、一時期、世の中が混乱に陥った。

彼女たちの能力は強大で、一度力を行使すれば、瞬く間に地形や国家が一変するものなのだ。


そんな擬人化した武器たちを『擬人化師』は家族として扱ったが、擬人化された武器たちは彼を単なる家族ではなく一人の男性として愛していた。

彼女たちの関係がギクシャクする中――

新たに『擬人化師』が擬人化した武器。

究極最強(アルティメット)武器(ウェポン)『ムゲン』だけが男性の姿で擬人化された。

それが終わりの始まりだった。



「それの何が問題だ?」


「何が、ってのう。……てか、この国は芋しかないのか!?」


「芋は美味い」


「ちがーう! はあ、なんじゃ。貴様、ほんと抜けておるのう。ワシら姉妹でも、そんな奴おらなんだ」


立ち話もなんだからと、食事処に移動した二人。

D連邦はドワーフの国だけあって、食文化はソーセージと(ポテト)。そして酒で揃えられている。

マイペースなニノマエに呆れながら、ルラが話を続けた。


「ワシら姉妹が全員女じゃぞ。それで奴は男だった。なんというか、異物が紛れ込んだような気分じゃった」


「それは変だな。お前の主は男ではないか」


「うっ。い、いや、そうではなくてだな! 貴様の言う通りではあるがっ」


「皆が女だから、女になると思っていたのか」


「む……むう。それも、あるのう。主も恐らくはそうじゃった。ムゲンの姿に驚いておった」


今までが全員女だったのに、男が急に生えて来た。

当たり前だったものが、突如変異してきたのだから戸惑いや不気味さを覚えてしまった。

結果として、ルラたちはムゲンを毛嫌いし。

『擬人化師』もムゲンから距離を取った。


「それで」


「じゃから……上手く言えんが、お主の存在がムゲンの為になるかもしれん」


「男に擬人化しているから」


「まあ……ひょっとしたら、ムゲンにとってどうでも良いかもしれんし。意味はないかもしれんが。巷の噂で奴が、所有者を得て活躍していると聞いてのう」


「なら、別に私は必要ないのでは」


「それがのう。主は男で、周りに女を侍らせていると言うのだ」


「以前と同じ状況か」


「うむ。それが気がかりでのう」


「元のアイギスはどうする」


「貴様も状況が分からんと言うなら、ワシにもどうする事もできん。頼れる奴は……いなくはないが、解決してくれるかどうか。それに」


「それに?」


「……いや、なんでもない。とにかく、ムゲンと会うのじゃ!」


「どこにいるんだ?」


「………」


「………」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ