第十四話 続続・家族会議。私の能力は!?
今回はサーシャの能力について少し掘り下げます!
私が泣き止むまで少し合間を置いて、みんな一息ついていた。今、私たちは親子であることを再確認して、全員の心にあったしこりがとれたように清々しい気持ちになっている。こんな話ができるのも本当の家族だからだろう。
「それにしても、いつから私がおかしいんじゃないかって思っていたの?」
私は母に聞いてみた。ある程度勘づいていたみたいだから、どれくらいから思っていたのか聞いてみた。
「……ん?そうねぇ。サーシャが3歳くらいの時かな?子供なんて自由奔放に遊びまくるもんじゃない?なのに、サーシャは書斎の本とか読んでたし、幼児特有の喃語《なんご》でも喋ってるのかと思ったけど、なんか知らない言語っぽいこと喋ってるところとかみてたからかな。」
あ、やばい。日本語喋ってたの聞かれてたのか……。どうしても、日本語が出ちゃう時があったからな……。
「なあ、サーシャ……。」
そんなことを話していると、お父さんが発言をしてきた。
「ん?なぁに?」
私はその呼びかけに応える。
「サーシャの前世のことはとりあえずわかった。サーシャが俺たちの子供ってこともわかった。だが、サーシャの能力についてはわからない。どう言う能力なんだ?召喚術か?」
父は私の力が気になるようだった。召喚術と言ったのは、私が道中見せた能力からだろう。
「そうだったね。私の力について説明するね。」
私の話を今か今かと待ち侘びている両親がいた。順応が早いことで……。
「私が前世で事故に遭って死んで、こっちの世界に生まれる時に、神様から2つのスキルを与えられたの。その1つが、今日見せた召喚術だよ。」
とりあえず、素直に話す。ただ、自分で選んだとかは言わなかった。
「どんな能力なんだ?」
父は興味深々だ。
「あの馬車は私がいた『地球』っていう世界に存在する物体なの。私のスキルはその地球にある物を召喚、呼び寄せることができるの。」
召喚という言葉は使ってこなかったけど、確かに召喚術と言われるとしっくりくるな。
「本当か……。サーシャの前世の世界はすごい技術だな。あの馬車の精巧な作りはこの世界ではなかなか出来ないぞ……。」
地球の技術力の高さが現れていたみたいだ。
「そうなんだ……。馬車の作りなんて正直わからないけど、すごいんだね!もっと色々な物も召喚できるよ?この世界からしたらこれとかすごいんじゃないかな?」
そう言って、私は手を前に出して机の上に一つのボールペンを召喚した。
「……これは?」
父も母もこれが何かわからない。それもそうだろう。この世界にはプラスチックというものが存在しない。ボールペンなんてものは何が何やらといった感じだろう。文字を書くには羽ペンとかが主流だ。
「これはね、『ボールペン』って言って、ペンの一種だよ。これで字が書けるの。」
私はカチッとペン先をだし、サラサラっと文字を書いてみせた。
「「……!?!?」」
両親はその光景に愕然としていた。掠れることなく、インクの付け足しもなくサラサラとインクが出て文字になっていくその光景に驚いていた。ペンと言えば、インクをつけてペン先から毛細管現象を利用して書いている。インクの掠れや出過ぎなんかは普通に日常茶飯時だ。なのに、ボールペンは一定にインクが出てきて、滲むこともない。画期的なアイテムだ。
「これは、私の前世の『地球』では100円程度、銅貨1枚で購入できるくらいの値段なの。」
私はその価値を教えた。
両親はそれにもさらに驚いていた。
「「はぁ!!??」」
揃ってはぁ!?って驚き方も一緒なのか!?仲がいいなぁ、としみじみ思っている。ここらで、この世界の金銭の種類と価値について説明しよう。ここは日本に似ている感覚だからわかりやすかった。
まず、貨幣として、銅貨、白銅貨、銀貨、金貨、白金貨、大白金貨が存在する。
銅貨=100円
白銅貨=500円
銀貨=1000円
金貨=10000円
白金貨=50000円
大白金貨=100000円
日本円に換算するとこんな感じだ。
あまり細かい価値が存在しないから日本よりは計算もしやすいし、見やすい。紙幣はない。そこが大きく違うところだ。その分、一万円よりも大きな五万円や十万円の価値の貨幣があり、嵩張らないようになっている。
「私がいた世界はこの世界よりも文明が進んでいるの。でも、その代わりに魔法っていう概念はないの。」
私は、自分の前世の世界のことを簡単に説明した。両親はいまだに驚きを隠せないようだ。
「……これは……。」
「……こんなことがあるの……?」
両親はボールペンを見て放心状態だ。それほどまでに衝撃なのだろう。
「この技術を売り出せばめちゃめちゃ儲かるかなとも思ったこともあるけど、世界を混乱させちゃうだろうし、私も目立っちゃうかなと思って、それは今考えてないの。」
私は脳裏にチラッとよぎった案を話した。大抵、日本の技術で異世界の技術革新をはかるっていう異世界物語もあるけど、実際にやるとなると私には知識もなければ材料もない。その場しのぎにしかならないだろう。だったら、ちょっと幸せに過ごすくらいでいきたいなと思った。
「……ああ、それは辞めた方がいいな。むしろ、これは口外出来ないな。最悪、サーシャと俺たちは2度と会えなくなってしまうかもしれない。それは俺たちの望むところじゃないからな。」
父は言った。
「そうね……。多分、国の重鎮たちがわらわらやってきて質問攻め、人体実験なんかもされるかもしれないわね。しかも、個人でそんなことやったらすぐに特定されて攫われてしまう可能性も大いにあり得るわ。……よかった、早まらなくて。」
母もそう言った。王様に言った後に箝口令をしいての周知とは違うからな。ほんと、母の言うとおり、早まらなくてよかった。何はともあれ、私の素性はまだ両親しか知り得ない。ここで留めておこう。
「……とりあえず、大事にならずにここまでこれてよかった。それで、一つ目のスキルはわかったが、もう一つあるんだろう?」
父はとりあえず落ち着いたのか、私のもう一つのスキルについても確認してきた。
「もう一つは、生きる上で必要かなと思って、病気にならないっていうスキルなの。パッシブスキルだから、常に発動中って感じだけど。」
私は病気にならない。これは、最重要だった。私が異世界に行くにあたって、どんな環境に身を投じるかわからなかった。中世くらいの文明というのは聞いていたけど、その辺りは病気が蔓延していたときく。であれば、死の危険性を少しでも減らしたいと思うのが普通だろう。
「「……!!!」」
両親は私の言葉を聞いて、召喚術スキルを知った時以上の驚きの顔を見せて顔を見合わせている。
何をそこまで驚いているのだろう。
ここまで読んでいただきありがとうございます!!
何やら驚きが他にもあったようです!
次回を楽しみ!!




