第十五話 病気と無縁。唯一の活路!?
なかなか更新できずにいます。
頑張ります!
両親が、私の二つ目のスキルを聞いて呆然としていた。
「……どうしたの?病気は嫌でしょ?」
もちろん、病気は嫌だ。それを回避できるのであればとてもいいと思う。
「……ん、ああ、すまない。もちろん病気は嫌だな。それにかからないっていうのは最高だ。……俺たちが呆然としてしまったのは違う理由だ。」
んん?これになんか別の理由があるのか?
「……どうりで全然風邪もひかないと思っていたわ。……でも、お父さんの言うとおり、今重要なのはそこじゃないわ。」
母も何か別の理由があるようだ。なんだよ、2人して、病気にかからないのは幸せでしょうが。
「……何が重要なの?」
私は正直に聞くことにした。
「……この大陸の外、魔王の封印されている島に向かうにはある場所を経由しなくては行けないんだ……。」
父はその理由を話し始めた。
魔王はある島に封印されており、その島は魔王とその幹部たちと魔物達がひしめき合っているらしい。その島を魔王島と呼んでいる。
「魔王島は特殊な海流に囲まれて海から上陸出来ない。ただ1点だけ、上陸できる場所がある。それが唯一の入り口なんだが、そこに行くにはある場所を必ず経由する。それが『病魔の森』だ。立ち入るものにあらゆる病気を伝染させてしまう森だ。この森の攻略ができない限り魔王の復活をただただ待つしかないっていう状況だったんだ。」
なるほど……。そこに、病気にならない私という存在が出てきたってことか。それは活路がひらけてきたと考えるわけだ。
「……とは言えだ。魔王の封印はすぐに解けるわけではないし、魔王島の魔物達の活動もまだ活発ではない。今はサーシャも自力を上げなくてはいけない段階だ。すぐに旅に出ろとは言われないだろう。
……ただ、市民に安心を与えるためには早いところ聖女の存在は知らせた方がいいかもしれないがな。」
父は憶測ではあるが、ギルドマスターという役職柄、魔物達の動きなんかはよくわかっている。勇者の末裔としての感性の良さもあるかもしれないけど、まだとりあえずは平穏に過ごせるのではないかと思っているようだ。
「だけど、いつかは魔王を倒すことには変わりないんだよね……。」
私は現実を見る。この事実は変わらない。転生させてくれた神様からの命でもある。これを避けて通れないってことは転生前から諦めている。
「……すまんが、そうなる。お父さんとお母さんは全力でフォローする。」
両親は全力で協力してくれるようだ。まあ、助けがないと困るけど。
そして、それからは他愛のない談笑をした。私の前世の世界のこと。生まれてから今までのことを話したりした。私のことを、前世の私まで含めて認めてくれる両親には感謝以外ない……。ありがとう……。
そして、夜は更けていく――――
私はベッドで眠る……。そのまどろみの中、夢を見た。前世の夢だった。久しぶりに見る前世の自分自身の夢だ。それは私がコミュ障になる原因となった時のものだった……――――
その出来事とは人によってはなんともない出来事だった……。
聞く人は「そんなことで……?」と言うかもしれない。でも、私にとってはそれで十分だった。
――私は小学生3年生までは普通に友達もいて、普通にコミュニケーションもとれて、普通の小学生って感じだった。
それは、ある日突然始まった……。
昨日まで仲が良かった友達も、ただ挨拶するくらいの相手も、みんながみんな私をいない子のように扱うようになった。
最初は何かの冗談かと思った。私が何かしたのだろうか?でも、思いつく原因もない……。
私は訳がわからなかった。この状況を理解するまでに丸1日かかった。最初はいつも話している友達のところへ行って話かけたり、いつもみんなが遊んでいる場所に行ってみたりした。でも、友達からは返事がないし、遊び場所には誰もいなかった。そこで、私は理解した。
――無視されている……?――
いつから計画されていたのかわからないけど、私は学校中の人から無視されるようになった。何かやったのだろうか……?とても理不尽に感じた。
「ねぇ!!私、何かした!?どうしてみんな無視するの!?」
私は仲が良かった友達に思いの丈を話した。返答はないかもしれないと思っていた。……でも、予想とは裏腹に友達は私を見て口をひらこうとしている。
――っあっ!もしかして、ただの悪戯だった!?これで、今までの生活に戻れるかも……!?――
期待をした。しかし、その口から発せられた言葉は私の期待を打ち砕いた……。
「……別に何もしてない、ただ、偶然あんたが選ばれただけ。」
…………??……ん?
何を言っている?
ただ偶然選ばれた……だけ?
何にもしていない……?
え……?じゃあただの偶然で何もしていない私がみんなから無視されてるってこと……?
ちょっと理解が追いつかない。
――そこから小学校を卒業するまではこの状況が続いた……。――
親は親で、どれだけ話をしても、時間が解決するや、放っておけばいいなど、根本的な解決には乗り出してくれなかった。
中学にあがるとき、私は自分自身以外が信じられなくなっていた。両親も何もかも……。そして私は引きこもりのコミュ障となり、2次元の世界に救いを求めるようになった。
ただ単に、なんの理由もなくいじめは始まり、終わりは未知だ。
――人間の心は紙と一緒。――
いじめで傷つく毎にクシャっとなる。
心の傷は大小様々だ。紙を折ったりクシャっとして様々な折り目=傷がつく。
その傷は紙を開いて伸ばしたところで消えはしない……。心も同じで、受けた傷は治らない。それでもその状態で生きていかなければいけない。……その心の傷が裂けてしまった人が鬱だったり自殺なんかをしてしまう。それでも、気にせず生きていける人は柔らかい紙を持っているんだ。折り目がつきづらい。……私の心の紙は硬かった。折り目が破けてしまったのだ。
だから私は、こっちの世界に来ることが出来て、むしろ嬉しく思っている。
最初は戸惑いこそあれど、私は私を知る人のいない世界で……、まっさらな心でこの世界に転生できた。私はこの世界では柔らかい心を持って生きたい。心の紙は環境によっても変化する。幸いこの世界の私の周りは物理的な危険は多くとも、優しい環境にある。私は改めてこの世界で生きて行こうとまどろみの中、決心した。
ここまで読んでいただきありがとうございます!!
サーシャの心のうちが少しわかった気がします。
これからはこちらの世界で頑張ってください!




