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星屑の傭兵  作者: 磯野海月
第1章
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コロニーでの激闘 その2

シャドウとルーとアッシュ、そして首相たちは、ティロールに誘導されて地下のシェルターに急いだ。


 一行が非常階段にさしかかった時、シャドウが急に立ち止まった。

「いけない! みんな伏せろ!!」


 ズダダッダッダダ!!

全員がその場に伏せると、非常階段の窓ガラスを突き破り、パワードスーツの銃弾が、撃ちこまれた。


「ワーッ!! やめろ! この私まで、殺す気か!?」

副首相が、頭を抱えながら大声で叫ぶ。

「副首相!! それは、どういう意味かね!」

横にいた首相が、険しい眼で副首相を睨んだ。

「どうやら、あいつらを、手引きしたのは、この副首相の野郎みたいだぜ!」

ルーが副首相の胸倉グッとをつかむ。


「ヒー!放してくれ!」

「ルー!やめろ!今はそれどころじゃない!」

シャドウにたしなめられ、ルーは副首相から手を放す。


「・・・ここは、おれが食い止める、みんなは先に行ってくれ」

アッシュが、ぼそっと口を開く。

「アッシュ、大丈夫なのか!」

「・・・大丈夫だ、シャドウ、これを拾って来た」

アッシュは先程ルーに倒された、パワードスーツの銃を背中に背負っている。

「撃てるのか!?」

「問題ない・・・」

「そうか!じゃあ、任せたよ」

シャドウとルーはうなずくと、首相たちを連れて、別の通路へ急ぐ。


 アッシュが手に持った銃は、重量10キロ以上ある、パワードスーツ専用の強力な物だ。普通の人間が撃てば、反動でひっくり返ってしまう。

アッシュはその銃を脇にかかえると、パワードスーツが弾を撃ち込んで来た窓の正面に寝転ぶ。

上空をホバリングしていた5機のパワードスーツは、アッシュの姿を発見すると、急降下しながら銃撃してきた。

ズダダッダッダッダッダ!!


アッシュの周囲に銃弾が降り注ぐ、一発はアッシュの頬を掠め、血が滲む。しかしアッシュは表情を変えず瞬き一つしない。

アッシュは銃の大きな引き金に、指を三本かける。


 ダッ!!!!!

あまりにも早い銃撃で、一発の銃声にしか聞こえなかったが、アッシュは、その重たい引き金を一秒の間に五回も引いたのだ。


アッシュの撃った弾丸は正確に、飛行していた5機のパワードスーツのホバーノズルのチューブに命中し、5機のパワードスーツは、バランスを崩し、落ちていく。


シャドウたちは、やっとのことで、首相らを地下のシェルターに避難させて、アッシュのいる場所まで戻ってきた。

「アッシュ無事か、敵は?」

「もう、終わった。5機とも仕留めた」

「心配して損した!」

ルーはペロッと、アッシュの頬に着いた血を舐める。


 再びティロールから、無線で緊急の呼び出しがかかる。

「シャドウ大変だ! 飛んで来たパワードスーツの発進した場所を特定したら、やつら二機のアサルトマシーンまでこのコロニー内に持ち込んでいるぞ!」


「何だって!アサルトマシーンなんか、コロニーの内部で使ったら、大惨事になるぞ」

「これから、スチール・ホッパーを、そっちにオートドライブで行かせるから中庭で待っててくれ!」

「了解! 早くしてくれ!」


アサルトマシーンとはこの時代に発展した戦闘用小型宇宙艇の総称である。


ティロールは首相府から300mほど離れた路上で、改造トラックの中から、シャドウたちをミッション・サポート(作戦支援)をしている。

トラックの内部には、何台ものモニターや、レーダー、情報端末が所狭しと並んでいる。

「このスチール・ホッパーをにここに持ち込むのは、大変だったんだぞ!やつらはどうやって、アサルトマシーンなんか持ち込めたんだ?」


 ティロールは慌てて、トラックに積んであるスチール・ホッパーの梱包を解いている。

スチール・ホッパー。シャドー専用の戦闘用モノ(一輪)バイクだ、後輪の代わりにロケット・ノズルが付いている。二門のレールガンを装備し、防御シールドまで展開できる、強力なマシンだ。


「頼んだぞ!」

トラックの後部ドアが開いて、スチール・ホッパーが飛び出し、猛スピードで道路を走りぬけた。


 スチール・ホッパーは、あっという間にオートドライブで首相府の中庭に飛び込んできた。

「よし、ルー一緒に来てくれ」

「OK!」


 シャドウはうつ伏せになるような姿勢で、スチール・ホッパーに乗り込む。そこへ、シャドウの体に重なるようにして、ルーが乗り込み、自分の体をグイグイとシャドウに押し付ける。


「狭いなー」

「ルーー! このコックピットに、二人入れる訳ないじゃないか! 君は上に乗るんだ」

シャドウは、困り顔で後ろを向く。

「アッ、イヤー!! わりー、わりー、ほんの冗談だ!」

ルーは顔を赤くして、自分の頭をポリポリと掻く。

クソッ・・・嬉しかったのに、シャドウの前で、とんだ大ボケかましちまったぜ。

ルーが上に跨ると、スチール・ホッパーは土煙を上げて発進した。


「ティロール、敵のアサルトマシーンの現在位置は?」

「今、マップにして送る。西の第14地区、公園の緑地帯の中だ。機種も特定できた。ウェルホーン社製、UG-312・バランド。120ミリレールガン1門と、ミサイルランチャーを装備している」

「それと、このコロニー全体に緊急避難命令を出して、住民をできるだけ早く、シェルターに避難させてくれ」

「分かった。なんとかやってみる」


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