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第18話 「元地味子が可愛すぎる」



春川彩乃から、大方の事情を聞き俺は……呆然としていた。


ん?ちょっと待て。誰だそのかっこいいやつ!?


確かに、保健室でなんか地味という言葉を体現したような女子生徒と会話したような記憶はうっすらと残っている。


俺が言うのもどうかと思うけど、あまりにも地味すぎだったため、ほとんど覚えていない。


俺、そんなこと言ったっけ?もし本当に言ってたとしたら、俺まじでクサすぎだ。てかキモすぎる!当時中学3年で最上級生だったから調子に乗ってたのか!?


一体お前は何様なんだって話だ。


なんかすげぇ補正かかってるっぽいけど、多分あの時俺は、すごい邪な考えで話していた気がする。


俺がただ昼寝したかったら、そしてベッドが1つしかなかったか。


どうにかどいてくれないかといろいろ試していただけだった。


そりゃ、表も裏もないわな。頭ん中空っぽだったんだから。


俺は彼女に正直に話した。


「……悪い。俺は君のことをほとんど覚えていなかった。今もうっすら記憶が残っているだけだ」


だってめっちゃ地味だったんだもん。あの時から超絶美少女とかだったら絶対覚えてたんだけど。


「あと、多分俺は君の話を真面目に聞いてなかったと思う」


返事も適当な御託を並べて返していただけだ。


俺の言葉にどんな影響を受けたのか、どれだけ励まされたのか知らないが、俺は自分の言葉にまったく責任を持っていなかった。


だから、忘れていたことも含めて、俺は彼女に合わせる顔がない。


「本当に悪い。俺は君の思ってるような大層な人間じゃないんでね。話を聞く限り、変われたのは君自身の努力だ。だからもう俺のことは忘れちゃってくれ」


こんな無責任な状態で一方的に想われていたら、こっちが申し訳なさすぎる。


ちゃんと自分の力で変わった彼女と対等に話す資格はない。


「……たとえそうだったとしても、私は先輩の言葉に本当に救われたんです」


「俺は……そんなつもりはなかったんだ。だから……」


「忘れてくれって言うんでしょ。でも無理です。忘れたりなんてしません。私はあの時から、先輩のことが好きでした」


彼女は俺の無責任さを知ってもなお、再び気持ちを告白してきた。


「まあ、私は覚えていましたけど、先輩は完全に忘れてたみたいなので、それは正直ちょっとショックです」


「……すまん」


「いいんです。あの時の私は本当に地味でしたから。だから……これからの私を知ってください。変わった私を見てください。もう、忘れさせたりなんてしませんから」


彼女はそんな言葉と共に、ひまわりのような笑顔を向けてきた。


………なんなんだよ、これ。


俺……いつからそんな胸キュンなセリフ言われるような男になったんだ?


こんな可愛い子が、俺のことを好き?


マジでありえない。


ありえない、のに……今ここに、現実はある。動揺していたらキリがない。


こんな時、俺はどうすればいいのか。


告白なんて初めてだし、俺はどうするべきなんだろうか。


「え、えっと、気持ちはすげえ嬉しい。けど、俺は本当に君のことを何も知らないんだ。悪いけど、君の気持ちに応えることはできない」


ただの肉欲だけで告白を受け入れたら、それは人間として、男として完全に腐った証明になる。


そんなクズにはなりたくない。


俺は断るという結論に至った。これが俺なりの最善だ。


「……そう言ってくれて安心しました。そういう紳士なところも素敵です。それに、別に今返事が欲しいわけじゃないですから」


「……え?」


「言ったじゃないですか。これからの私を見てくださいって。これから先輩には私にメロメロになってもらいますから。覚悟しといてくださいね」


「……っ!?」


彼女は上目遣いをしながらそう言ってくる。


だから……なんでそんなときめき台詞を言ってくるんだよ。


「ま、付き合いたくなったらいつでも言ってくださいね。とりあえずは友達からって感じですかね?」


「あ、ああ。じゃあそれで頼む」


「はい。まあ私としては、正直今すぐ付き合って欲しいですけど。なんなら、付き合うを通り越して一線越えちゃっても。ふふ」


「いやいやだめだろ!普通にクズじゃねえか!」


なんで俺がこんなツッコミやってんだよ。


こういうのって、ラブコメ主人公がすることだろうが。


「冗談ですよ。もう、先輩可愛いんだから」


いちいちリアクションしていたら精神的にやらてしまう。


「はぁ……まあいいや。じゃあとりあえず友達としてよろしく、春川さん」


「のんのん、ちゃんと彩乃って呼んでください。私も直之先輩って呼ぶので」



「そ、そうか……わかった。あ、彩乃」


俺史上、2人目の名前呼び女子だ。あ、姉を入れたら3人目か。


「はい、直之先輩!これからよろしくです」



最近、本当にありえないこと続きで混乱が隠せない。


雅だけでも非現実的だったのに、更にまたこんな可愛い女の子からがちがちに迫られるなんて。



───この時から……いや、雅と出会ったあの時から、俺の平穏な日常は、少しずつ狂い始めているのだとなんとなく気づいてしまった。

この度も、読んでくださりありがとうございます!!

改めて、自分の作品を読み返していると、「うわ、ここおかしいな」ってところがたくさんありましたので、細かい修正を入れておきました。

知人には、「17話の主人公が自分も地味なくせして上から目線すぎ」と言われてしまったので、少し直しました。

今回は知人が教えてくれましたが、これからも「あれ、ここおかしい」とか、「なんか嫌だな」などと、不快に思ったら遠慮なく言ってください。できる限り改善しますので。これからも応援よろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[良い点] ここから、面白くなりそうな感じだな〜。 実際にあったら大変だけどね〜。
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