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件名:誰も居ないところで開封してくれ

from:湯田 真一

to:湯田 真一

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 やあ、はじめまして、そっちの僕。

自分の事だから、察しがつくと思うが、僕はオリジナルだ。


 現状を見て貰うと解る様に、カイセ達の計画は失敗した。

 本来、現実世界に放たれる予定だった『セレクター』はそちらに出現し、上書き用の『器』を手当たり次第作っていることだろう。

 思いも寄らない形だったが、僕の想いが叶ったと云える。


 しかし、そちらの世界が存在し、ユーピテルとなった『ELI』も健在だ、今は防護壁で覆われて、身動きが取れない状況のようだが、パンドラが存在する限り、こちらの脅威は無くならない。


 そこで、協力してほしい。


 今からすぐにS•ナガノに戻ってほしい。

そちらのカイセ達は、こちらからの『侵入』の際に上書きされているから、今はS•ナゴヤの防護壁の中にいる。

 捕らえられたりしないさ。

 

 それに、S•ナガノは僕の不在で、混乱しているだろう。僕もこちらでナガノに戻ってきたが、中々の混乱っ振りだったぞ。

 ここはセクター長の腕の見せ所だな。


 話を戻そう。

 近々『アクム』という少女と、『ナイン』という少年がS•ナガノに現れる。

 その二人に力を貸してやってくれ。


 ナインという少年には理を超える力があり、中央塔のパンドラを破壊する事が出来るだろう。

 これから、彼らにすべてのパンドラを破壊してもらう予定だ。

 

 彼らが『仮想現実の力《特技》』を使える様になったのは最近の事で、その為にも『訓練』が必要なんだ。よろしく頼むよ。


 全てのパンドラを破壊した後は、そちらの世界を消去する。

 君の意識が無くなるのは辛いだろうが、僕が引き継ぐから安心してほしい。


 そうそう、『ミヅキ』は説得してみるつもりだよ。出来れば、引き戻したいものな。


 僕達はカイセ達にとって『ウラギリモノ』となってしまうが、カイセの理想とした『争いの無い世界』は間違ってると思う。

 カイセが言った、公平な世界…『愛があるから人は争うのだ』と云う思想は真理かも知れないが、そんな世界で人は只の家畜じゃないか?


 すまん、自分なのだから、想いも一緒だったな。


 僕達は危うく道を踏み外す所だった。

自分の信じる『正義』なんて、脆く儚いものだな。


 長文になってしまい、悪かった。

長い文章は嫌いなのにな。


 どうか、宜しく頼んだよ。


            ── 僕より ──


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