表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
果てなき世界  作者: 影川明空人
第8章 学園2年目 修行編
361/389

第360話

第360話


 襲撃から数日が経った。


 焼け跡には少しずつ活気が戻り始め、騎士や学生たちは街の復旧作業に追われていた。


 アーカディア学園に設けられた診療所では、重傷者たちも次々と意識を取り戻していく。


 レオンたちも例外ではなかった。


「いてて……」


 ベッドから身体を起こしたレオンは、自分の腕をゆっくりと動かす。


 傷はすでに癒えている。


 だが、身体は思うように動かなかった。


 オーバードライブの反動。


 以前よりは軽くなっているものの、本調子には程遠い。


「まだ本格的に戦うのは無理そうだな……」


 そう呟くレオンへ、ガイウスが笑う。


「生きてるだけで十分だろ」


「そうだけどさ」


 テオドールも身体を起こしながら頷いた。


「以前より反動は減っているようだな」


「ああ」


 レオンもそれは感じていた。


 以前なら、もっと長く身体を動かせなかった。


 少しずつではあるが、自分も成長している。


 しかし、ゼルキスとの差を思い出す。あの圧倒的な実力差。


 自然と拳を握り締めた。


 その時。


「そういえば」


 レオンがルシアンへ視線を向ける。


「俺が気絶した後、どうなったんだ?」


 ルシアンは少し考え、静かに答えた。


「私がゼルキスと戦っている最中、空に巨大な魔法陣が現れました。そこから放たれた光が、魔族や邪神教徒たちを攻撃したのです」

「それを受けて敵は撤退しました」


「巨大な魔法陣?」


 ノエルが首を傾げる。


「ああ、それなら俺も聞いた」


 テオドールが口を開く。


「診療所でも話題になっていた。街中の人が見ていたらしい」


 ガイウスも思い出したように頷く。


「『神々しかった』とか、『まるで神様の奇跡だった』とか、そんな話ばっかりだったな」


 フィアナは静かにその話を聞いていた。


 あの日の光景。


 そして、その光を生み出した人物。


 視線だけをそっとルシアンへ向ける。


 ルシアンは気付いているはずなのに、何も言わない。


 約束を守る。


 フィアナもまた、静かに口を閉ざした。


 その日の午後、ヒューギルの名において、全学生へ正式な通達がなされた。


『今回の襲撃により、アーカディア及び学園は甚大な被害を受けた』

『復旧作業のため、アーカディア学園はしばらく休校とする』

『期間は、およそ三ヶ月を予定している』


 学園内がざわつく。


 ヒューギルは続けた。


『この期間、故郷へ帰るもよし、アーカディアの復興を手伝うもよし、修行の旅に出るもよし。各自、自由に過ごして構わない』

『ただし、その期間に成したこと、それを証明できる成果は、今後の評価へ加味するものとする』


 学生たちはそれぞれ今後について話し始める。


 一方、勇者パーティは静かな部屋に集まっていた。


 レオンが拳を握る。


「悔しい。結局、俺たちはゼルキスに何もできなかった」


 ガイウスも苦笑する。


「ボロ負けだったな、今のままじゃ勝てない」


 ノエルも腕を組む。


「また同じ相手と戦っても結果は変わらない」


 テオドールも静かに頷いた。


「修行は必要だ」


 フィアナも決意を込めて言う。


「もっと強くならなければいけません」


 レオンは全員を見渡す。


「よし、修行をしよう!どこへ行く?」


 少しの沈黙。


 その中で、ルシアンが静かに口を開いた。


「聖国リュミエルへ行きましょう」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ