表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
果てなき世界  作者: 影川明空人
第7章 学園2年目 武闘大会編
348/386

第347話

第347話


 結界の中。


 激戦の末、立っている者は二人だけだった。


 レオン、そしてフィアナ。


 テオドールは地面に倒れ伏したまま動かない。ノエルも短剣を握ったまま意識を失っていた。ガイウスは盾を手放し、血を流しながら倒れている。


 ――ガイウス。


 最初に倒れたのは彼だった。


 ゼルキスの爪がレオンへ迫る。咄嗟にガイウスが前へ飛び出した。


「レオン!」


 盾で一撃目を受け止める。


 凄まじい衝撃だったが耐えた。


 しかし、二撃目。


 横薙ぎに振るわれた爪が盾ごとガイウスの身体を切り裂いた。


「ぐぁっ……!」


 そのまま吹き飛ばされ、壁へ激突。


 動かなくなった。


 ――ノエルとテオドール。


 二人は後方から援護を続けていた。


 風魔法、雷魔法、火魔法。


 絶え間なくゼルキスへ撃ち込む。


 しかし。


「遅いよ」


 レオンの前にいたはずのゼルキスが消えた。


 次の瞬間には二人の背後。


 いつもなら。


 いつもなら、ルシアンが気付き、守ってくれていた。


 だが、今はいない。


「え――」


 ノエルが振り返るより早く。


 鋭い一撃が二人をまとめて吹き飛ばした。


 フィアナはすぐに回復魔法を施した。


 命に別状はない。


 それでも二人は目を覚まさなかった。


 そして現在、レオンも既に全身傷だらけだった。


 何度も斬られ、何度も殴られ、それでも立ち上がる。


 フィアナも支援魔法だけではなく、光魔法で応戦していた。


 しかし、魔法は確かに当たる。


 それでも、ゼルキスは気にも留めない。


「うーん。痛くないねぇ」


 笑いながら歩いてくる。


 フィアナなら、いつでも倒せる。それなのに手を出さない。


 レオンを回復させ続けるため、もっと遊ぶため。


 レオンは歯を食いしばる。


「はぁぁぁっ!」


 剣を振るう。


 ゼルキスは紙一重でかわす。


 反撃の拳が腹へめり込む。


「がはっ!」


 さらに蹴り。


 レオンの身体が地面を転がる。


 ゼルキスはゆっくりと歩み寄る。


「ねぇ。もう終わり?」


 レオンは睨み返す。


 ゼルキスは笑った。


「絶対に俺のことを倒すんじゃなかったの?こんなんじゃ俺のことは倒せないよ?」


 そして、無造作に振るわれた一撃。


 レオンの身体は再び吹き飛ばされた。


「レオン!」


 フィアナが駆け寄る。


 ゼルキスは退屈そうに欠伸をした。


「聖女ちゃん、早く回復してあげてよ」


 赤い瞳が細められる。


「つまんなくなってきたから、このままじゃ殺しちゃいそうだよ」


 フィアナは震える手で回復魔法を発動する。


 柔らかな光がレオンを包み込む。


 傷は癒える。


 だが、疲労までは消えない。


 それでも、レオンは剣を支えにゆっくりと立ち上がった。


(このままじゃ勝てない。どうせ負けるなら――)


 脳裏に浮かぶ、一つの技。


 まだ使いこなせていない。


 それでも。


(あれを使うしかない)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ