第332話
第332話
準々決勝全試合が終了した。
観客席は興奮に包まれている。
どの試合も見応え十分。特にレオンとゼルヴァインの激闘は、多くの観客の記憶に刻まれていた。
実況役の教員が魔道具を手に取る。
「これより準決勝進出者を発表します!」
闘技場が静まり返る。
「四年生代表、アルト・セイリオス!」
大歓声。
「二年生代表、レオン!」
再び大きな拍手が巻き起こる。
「二年生代表、グランヴェル・レグナス!」
グランヴェルの名に歓声が上がる。
「四年生代表、カイン・ブラッドレイ!」
今日一番とも言える歓声が響き渡った。
実況役の教員が続ける。
「準決勝第一試合!」
「アルト・セイリオス対レオン!」
会場が沸き立つ。
「そして準決勝第二試合!」
「グランヴェル・レグナス対カイン・ブラッドレイ!」
割れんばかりの歓声。
「これは決勝戦でもおかしくない!」
「どっちが勝つんだ!」
「楽しみだ!」
観客たちも興奮を隠せない。
四人の表情もそれぞれだった。
静かに闘志を燃やすアルト。
拳を握るレオン。
腕を組み、不敵に笑うグランヴェル。
そして今にも戦いたそうに笑うカイン。
誰もが準決勝へ思いを馳せていた。
その時だった。
――ドォォォォォォン!!
闘技場全体が大きく揺れた。
「なっ!?」
「地震か!?」
観客席がざわつく。
続けて別の方向からも轟音。
――ズガァァァン!!
闘技場の外。
アーカディアの街並みから黒煙が立ち上る。
一本、二本、三本。
煙は次々と増えていく。
そして。
「きゃああああっ!」
「魔物だ!」
「逃げろ!!」
遠くから悲鳴が聞こえてきた。
闘技場の空気が一変する。
「何が起きている……?」
「街の方だ!」
「まさか襲撃か!?」
観客席は騒然となる。
立ち上がる者、外を見ようとする者、子どもを抱き寄せる者。
ざわめきは瞬く間に広がっていった。
壇上にいた教員たちも事態を把握できず、困惑した表情で互いに顔を見合わせる。
その時、闘技場全体へ、重く響く声が響いた。
「全員、その場を動くな」
守護者の長、ヒューギルだった。
その表情は、これまで誰も見たことがないほど険しかった。




