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果てなき世界  作者: 影川明空人
第7章 学園2年目 武闘大会編
332/389

第331話

第331話


 準々決勝第三試合。


「二年生代表、グランヴェル・レグナス!」

「三年生代表、エドワード・フェーン!」


 長槍を構えるエドワード。


 対するグランヴェルは静かに剣を抜いた。


「始め!」


 開始と同時にエドワードが踏み込む。


 長槍による鋭い突き、広い間合いを生かした連続攻撃。槍使いらしい堅実な攻めだった。


 しかし、グランヴェルは冷静だった。槍を紙一重でかわし、一歩ずつ距離を詰めていく。


「くっ……!」


 エドワードは牽制の魔法も織り交ぜる。


 だが。


「遅い」


 グランヴェルは魔法を剣で切り裂く。そのまま懐へ潜り込み、一撃。


 エドワードは槍で受け止めたものの、大きく後退した。実力差は明らかだった。


 数合打ち合った後、グランヴェルが剣へ黄金の炎を纏わせる。


「終わりだ」


 一閃。


 黄金の炎が一直線に駆け抜けた。


 エドワードは受け止めきれず吹き飛ばされる。


「そこまで!勝者、グランヴェル・レグナス!」


 歓声が響く。


 グランヴェルは剣を納めながら、小さく息を吐いた。


「……つまらんな」


 期待していたほどの相手ではなかった。物足りなさだけが残る試合だった。


 続いて準々決勝第四試合。


「三年生代表、クラリス・リュクレール!」

「四年生代表、カイン・ブラッドレイ!」


 会場が再び沸き立つ。


 昨年準優勝、優勝候補の一角、カイン。


 対するは三年生最強クラスの魔法剣士、クラリス。


「始め!」


 試合開始と同時にクラリスが距離を取る。


 無詠唱の魔法を次々と放つ。


 光、水、地。三属性の魔法が絶え間なくカインへ襲い掛かった。


 しかし。


「はっ!」


 カインは笑っていた。


 避ける、斬る、踏み込む。理屈ではない。


 獣じみた直感だけで、魔法の軌道を読み切っている。


「そんな……!」


 クラリスの表情が曇る。


 どれだけ攻撃しても当たらない、ついに剣の間合いへ入られる。


 クラリスも剣を抜き応戦する。


 技術は高い。


 だが、カインはさらに一枚上手だった。


 重い一撃、鋭い踏み込み、圧倒的な戦闘勘。


 徐々にクラリスは押され始める。


(どうすれば……)


 焦りが生まれる。


 その瞬間、カインの目が光る。


「見つけた」


 焦り、迷い。その一瞬の隙を見逃さない。


 踏み込む。


 クラリスが迎撃しようと魔法を放つ。


 だが遅い。


 カインの剣がクラリスの剣を弾き飛ばした。


 続く体当たり。


 クラリスは勢いよく場外まで吹き飛ばされる。


「そこまで!勝者、カイン・ブラッドレイ!」


 会場が大きく沸き上がる。


 カインは剣を肩へ担ぎ、満足そうに笑った。


「悪くねぇ。でも、まだまだだな」


 クラリスは悔しそうに立ち上がり、小さく一礼する。


 こうして準々決勝全試合が終了した。


 唯一、いい試合となったのはレオンとゼルヴァインの一戦。


 それ以外の三試合は、実力差を見せつける形で決着がついた。


 そして、ベスト4が出揃う。


 四年生代表、アルト・セイリオス。


 二年生代表、レオン。


 二年生代表、グランヴェル・レグナス。


 四年生代表、カイン・ブラッドレイ。


 準決勝の組み合わせは――


 アルト・セイリオス 対 レオン。


 グランヴェル・レグナス 対 カイン・ブラッドレイ。


 いずれも、決勝戦と言われてもおかしくない好カードだった。


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