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果てなき世界  作者: 影川明空人
第7章 学園2年目 武闘大会編
325/388

第324話

第324話


 第三試合。


 四年生代表、イアン・クロムウェル。


 三年生代表、ゼルヴァイン・クロード。


 両者とも剣士。


 試合開始と同時に激しい剣戟が繰り広げられた。


 イアンの堅実な剣、対するゼルヴァインの洗練された剣技。


 互いに一歩も譲らない。


 観客席からも感嘆の声が上がる。


「さすが四年生」


「いや、ゼルヴァイン先輩も負けてない」


 何十合と打ち合いが続いた末、僅かな隙を突いたゼルヴァインの一閃がイアンを捉えた。


「そこまで!勝者、ゼルヴァイン・クロード!」


 イアンも悔しそうな表情を浮かべながらも、その結果を受け入れた。


 続く第四試合。


「二年生代表、レオン!」

「一年生代表、リリア・エヴァレット!」


 リリアが優雅に一礼する。


「ようやくですわね」


 レオンは静かに剣を構える。


「前はセシルが邪魔をして、あなたの実力を見られませんでしたもの。今回は勇者の力、この目で見定めさせてもらいますわ」


「よろしく」


 レオンも一礼する。


「始め!」


 開始と同時、リリアの姿が消えた。


 地を蹴り、一瞬でレオンの懐へ入り込む。


 双短剣による高速連撃。


 だが、レオンは冷静だった。


 剣で全てを受け止める。


「っ!」


 リリアが距離を取る。


(速い……でも)


 レオンは内心で分析する。


(ノエルほどじゃない)


 これまでルシアンとの訓練、そしてノエルとの模擬戦を何度も重ねてきた。


 その経験が生きていた。


 リリアは再び加速する。左右へ揺さぶりながら、死角へ回り込む。


 だが、レオンはその動きを見失わない。


 ルーチェの補助、そして勇者の加護による僅かな未来視。高速機動にも十分対応できていた。


「そんな……!」


 リリアが焦りを見せる。


 攻撃が届かないどころか、レオンは少しずつ反撃を織り交ぜ始めていた。


 剣を受け流し、反転。


 一閃。


 リリアは紙一重で避ける。


「危なっ……!」


 観客席もどよめく。


「今のを返したのか」


「勇者、強いな」


 リリアは歯を食いしばる。


「まだですわ!」


 さらに速度を上げる。


 だが。


「もう見切った」


 レオンは静かに踏み込む。


 リリアの双短剣を弾き飛ばす。


 そのまま剣先を首元へ向けた。


 勝負あり。


「そこまで!勝者、レオン!」


 会場から拍手が起こる。


 リリアは悔しそうにレオンを見つめた。


「完敗ですわ。勇者の名は伊達ではありませんのね」


 レオンは剣を収め、小さく頭を下げた。


「ありがとうございました」


 こうして、一回戦第四試合はレオンの勝利で幕を閉じた。


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