第322話
第322話
二年生武闘大会から数日後。
昼休みになると、生徒たちは一斉に中央棟の掲示板へ集まり始めた。
「代表が発表されたぞ!」
「今年のトーナメントも出てる!」
その言葉を聞き、レオンたちも掲示板へ向かう。
人だかりをかき分け、ようやく前へ出ると、一枚の大きな紙が張り出されていた。
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■一年生代表
一位 セシル(Sクラス1位)
二位 シルヴェルト(Sクラス4位)
三位 リリア・エヴァレット(Sクラス2位)
四位 ノクト(Sクラス8位)
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■二年生代表
一位 グランヴェル・レグナス(Sクラス1位)
二位 レオン(Sクラス2位)
三位 レティシア・バルセリオン(Sクラス3位)
四位 ノエル(Sクラス9位)
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■三年生代表
一位 ゼルヴァイン・クロード(Sクラス1位)
二位 クラリス・リュクレール(Sクラス3位)
三位 エドワード・フェーン(Sクラス5位)
四位 ミレーユ・ローゼン(Sクラス4位)
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■四年生代表
一位 アルト・セイリオス(Sクラス2位)
二位 カイン・ブラッドレイ(Sクラス1位)
三位 セドリック・アークライト(Sクラス6位)
四位 イアン・クロムウェル(Sクラス4位)
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その隣には、本戦のトーナメント表も掲示されていた。
【第一ブロック】
アルト・セイリオス vs ミレーユ・ローゼン
ノエル vs シルヴェルト
【第二ブロック】
イアン・クロムウェル vs ゼルヴァイン・クロード
レオン vs リリア・エヴァレット
【第三ブロック】
セドリック・アークライト vs グランヴェル・レグナス
エドワード・フェーン vs ノクト
【第四ブロック】
クラリス・リュクレール vs レティシア・バルセリオン
カイン・ブラッドレイ vs セシル
「一回勝ててもアルト先輩か」
ノエルが苦笑する。
アルト・セイリオス。
四年生代表。
昨年の武闘大会ではベスト四まで勝ち進んだ実力者だ。
勝ち上がったとしても、その次に待っているのはアルト。
楽な組み合わせではない。
一方、レオンも自分の対戦相手を見つめる。
「リリア・エヴァレット」
双短剣を操る超高速戦闘型。
セシルと互角に渡り合っていた姿を思い出す。
「速い相手か」
思わず呟く。
だが、もう以前の自分ではない。
ルシアンとの特訓、カインとの模擬戦、ノエルとの戦い。
それら全てが、自分の糧になっている。
武闘大会本戦まで、あと二週間。
その日から放課後は毎日のように鍛錬が行われた。
ルシアンがいない今、自然と集まるのはいつもの面々だった。
ガイウス、テオドール、ノエル、そしてレオン。
「まだまだ!」
ガイウスの大盾がレオンの剣を受け止める。
重い音が訓練場へ響く。
「もっと踏み込め!」
「分かってる!」
レオンも負けじと攻め続けた。
一方ではテオドールが魔法を放ち、その合間を縫うようにノエルが高速で駆ける。
シルフィが風を起こし、ルナが静かに闇を操る。
以前とは比べものにならない連携だった。
訓練の合間、ノエルがトーナメント表を見つめる。
「シルヴェルト」
以前敗れた相手、だがあの頃とは違う。
肩にはルナ、周囲を元気よく飛び回るシルフィ。
「今度は負けない」
シルフィが嬉しそうに何度も頷く。ルナも静かに目を細めた。
レオンも掲示板を思い返していた。
リリア・エヴァレット。
セシルと互角以上に渡り合った実力者。
決して油断できる相手ではない。
だからこそ、四人は鍛錬を続けた。
そして、二週間はあっという間に過ぎていく。
武闘大会本戦前日の夕暮れ。
学園の正門へ、一人の青年が姿を現した。
「ルシアン!」
レオンが真っ先に駆け寄る。
「おかえり!」
「ただいま戻りました」
ルシアンは穏やかに微笑んだ。
「黒嶺山脈はどうだったんだ?」
「それは後ほどお話しします」
そう言うと、ルシアンはレオンへ視線を向ける。
「二年生武闘大会はどうでしたか」
レオンは少し嬉しそうに笑った。
「準優勝だった。決勝でグランヴェルに負けたけど、かなりいい勝負はできたと思う」
準決勝、決勝。
グランヴェルとの激闘。
《ブレイブ・スラッシュ》を放ったこと。
自分が感じた課題。
レオンは順を追って話していく。
ルシアンは最後まで口を挟まず聞いていた。
「なるほど」
小さく頷く。
「ちゃんと分析できていますね」
「次は勝つ」
レオンは迷いなく言った。
ルシアンは微笑む。
「期待しています。それと」
掲示板のトーナメント表へ視線を向ける。
「明日からはいよいよ学園武闘大会本戦です。各学年の代表だけが集まる、本当の意味での頂上決戦。皆さんが、この一年積み重ねてきた成果を見せてもらいましょう」
夕日が二人の背中を照らしていた。
学園最強を決める戦い。
その幕が、いよいよ上がろうとしていた。




