表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
果てなき世界  作者: 影川明空人
第6章 学園2年目
298/389

第297話

第297話 


 三日目。


 ギデオンたちの警告もあり、一行は昨日まで以上に周囲を警戒しながら探索を進めていた。


 それでも探索自体は順調だった。指定された素材を採取し、魔物を討伐し、希少な鉱石も回収していく。魔物との戦闘も危なげない。


 レオンとルーチェ、ノエルとシルフィ、ルナ。精霊との連携も日に日に息が合ってきていた。


「いい感じですね」


 フィアナが微笑む。


「ルーチェも大分動きが分かってきた」


 レオンが笑う。


「シルフィも前より言うこと聞くようになったし」


「誰が言うこと聞かないって?」


 ノエルが呆れたように返す。


 そんな穏やかな空気は、突然破られた。


 ガサッ。ガサガサガサッ!!


 四方八方から物音が響く。


 ノエルの表情が一変した。


「囲まれてる!」


 次の瞬間、森の中から次々と魔物が姿を現した。


 一体、二体、十体、二十体。


 さらにその奥からも続々と現れる。


「こんな数……!」


 ガイウスが盾を構える。


 現れた魔物の大半はAランク。


 しかし、その中には明らかに格上の気配も混じっていた。


「Sランク……!」


 アルトが低く呟く。


「いや、あれは……」


 ギデオンが目を細める。


「SSには届かんが、それに迫る個体もいる」


 異常だった。


 これほどの魔物が一ヶ所へ集まるなど聞いたことがない。


「一体どこから……!」


 ライルが剣を抜く。


「考えてる暇はない!」


「迎え撃つ!」


 戦闘が始まった。


 ギデオンも、アルトも、ライルも、異常事態とみて、護衛としてではなく、一人の戦力として剣を振るう。


 レオンたちもそれぞれ魔物を迎え撃った。


 光が閃き、風が舞い、岩が砕ける。


 数は多いが、一体一体なら決して敵ではなかった。


「押してる!」


 ガイウスが叫ぶ。


 徐々に魔物の数は減っていく。


 勝てる。


 誰もがそう思い始めた、その時だった。


 空間が歪んだ。何もなかった空間に、黒い裂け目が走る。


 そこから、一人の魔族がゆっくりと姿を現した。


「……魔族」


 ルシアンが静かに呟く。


 魔族は一行を一瞥すると、口元を歪めた。


「ふむ、なかなか優秀だな」


 その瞬間、魔族の周囲に幾重もの魔法陣が展開される。


「空間魔法……!」


 テオドールが叫ぶ。


 魔法陣から新たな魔物が次々と現れる。


「まだいるのか!」


 レオンが歯を食いしばる。


 しかし、それだけでは終わらなかった。


 魔族は静かに右手を掲げる。


「では、始めよう」


 巨大な魔法陣が山全体を覆った。空間そのものが悲鳴を上げ、地面が軋む。


「まずい!」


 ギデオンが叫ぶ。


 次の瞬間、轟音と共に地面が崩れた。


 大規模な崩落。足場が一気に消えていく。


「ガイウス!」


 レオンは咄嗟にガイウスの身体を掴み、崩落から遠ざけるように投げ飛ばした。


「レオン!」


 一方、ルシアンは落ちかけていたノエルの腕を掴む。


「行ってください!」


 そのまま力強く投げ上げる。


「ルシアン!」


 ノエルの叫びが響く。


 フィアナとテオドールはアルトとライルによって助け出される。


 だが、レオンとルシアンだけが崩れ落ちる大地へ取り残された。


 ギデオンは一瞬動きを止めた。


 二人、どちらを追う。


 その迷いを見抜いたように、ルシアンが叫ぶ。


「レオンを!」


 その一言でギデオンは決断する。


 レオンへ向かって飛び出した。


 しかし、魔族がその前へ立ちはだかる。


「通さん」


 放たれた一撃をギデオンは剣で受け止める。


 轟音が響き、衝撃で足が止まった。


「貴様……!」


 崩落は止まらない。


 レオンとルシアンの姿は、深い谷底へと飲み込まれていった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ