第243話
第243話 投稿済み
大規模試験へ向けた日々が始まった。
合同遠征の傷はまだ残っている。
だが、時間は止まってくれない。
生徒たちは再び前を向き始めていた。
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レオンも徐々に復帰していた。
まだ本調子ではない。激しい運動をするとすぐに身体が重くなる。魔力の回復も遅い。
それでも。
「ずっと寝てるだけってのも暇なんだよな」
そう言いながら教室へ戻ってきた。
周囲も少し安心した空気になる。
勇者パーティがまた揃った。
それだけでも大きかった。
そして、問題は筆記試験。
「……終わった」
ガイウスが机に突っ伏す。
「まだ始まってもいないですよ」
フィアナが呆れたように言う。
隣ではノエルも露骨に嫌そうな顔をしていた。
「なんで魔物の生態とか覚えなきゃいけないの。斬ればいいじゃん」
テオドールがため息を吐く。
「お前ら本当に感覚だけで戦ってるんだな……」
ルシアンも静かに頷いた。
「ノエルはまだしも、ガイウスは特に酷いですね」
「は!?なんで俺だけ!?」
「盾役は状況判断能力も重要です。むしろ一番知識が必要までありますよ」
ガイウスが絶望した顔になる。
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そんなわけで、勉強会が始まった。
教える側は、ルシアン、テオドール、 フィアナ、レオン。
教わる側は、 ガイウス、ノエル。
主にこの二人。
「だから、魔狼種は群れ構成によって行動が変わります」
フィアナが丁寧に説明する。
だが、ガイウスは半分寝ていた。
「ガイウス」
レオンが笑顔で肩を掴む。
「寝るな」
「いててて!起きてる!起きてるから!」
ノエルはノエルで机に頬杖をついている。
「……めんどくさ」
テオドールが淡々と紙を置く。
「じゃあ問題だ。幻惑系魔物への基本対処は?」
「燃やす」
「違う」
「撃つ」
「違う」
「じゃあ何」
「精神干渉への警戒だ」
ノエルが露骨に嫌そうな顔をした。
「そういうのルシアン担当でいいじゃん」
ルシアンが静かに首を振る。
「自分で対応できるようになってください。私がいない場面もありますから」
ノエルが少しだけ黙る。
合同遠征、あの戦場を思い出した。
もし本当に誰かが欠けたら。
そう考えると、軽口も少し減る。
勉強、訓練、授業、時折行われる模擬戦。
それぞれが少しずつ前へ進んでいく。
レオンも以前より剣を丁寧に振るようになった。
ガイウスは知識を叩き込まれ。
ノエルも渋々座学を覚え始める。
テオドールは相変わらず優秀。
フィアナは安定。
そしてルシアンは静かに皆を見ていた。
時間が経つのは早い。
気づけば、一ヶ月が過ぎていた。
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そして筆記試験当日、アーカディア学園大講堂。
全学年のSクラス生徒たちが集められていた。
張り詰めた空気。
机には大量の試験用紙。
ガイウスが青い顔をしている。
「帰りたい……」
ノエルも死んだ目だった。
「ダンジョン実習だけでよくない?」
レオンが苦笑する。
「頑張れよ二人とも」
ルシアンは静かに席へ座る。
「さて、一年の成果を見せる時ですね」




