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果てなき世界  作者: 影川明空人
第3章
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第166話

第166話


 闘技場の熱気は、先ほどの試合を経てさらに高まっていた。


 準決勝第二試合――レオン対レティシア。


 名を呼ばれ、二人が中央へと歩み出る。


 レオンは剣を握り、静かに息を整える。

 対するレティシアは余裕のある表情で立っていた。


 ルシアンは観客席からその様子を見下ろす。


 実力差はわずか。だが主導権はレティシアにある。


 審判の合図。


「――始め!」


 開始と同時に、レティシアの手が動く。


「エアカッター」


 風刃が飛ぶ。


 速い。


 レオンが横へ飛ぶ。回避。だが次の瞬間には別の魔法が来る。


「フレアボルト」


 火球。


 着弾と同時に爆ぜる。


 レオンが距離を取る。


(……近づけない)


 レティシアが動かない。


 その場から、魔法だけで制圧してくる。


「グランドスパイク」


 地面が隆起する。


 足元からの攻撃。


 レオンが跳ぶ。


 だが――


「アクアカッター」


 空中へ水刃が飛ぶ。


 レオンが剣で弾く。


 着地。


 だがすぐに――


「ルミナバレット」


 光弾。


 速い。


 ギリギリで避ける。


 観客席がざわめく。


「全然近づけねぇ!」


 ルシアンは静かに見ていた。


(完全に制圧されていますね)


 多属性の連続展開。


 レティシアの強さが、これでもかと発揮されている。


 レオンが踏み込む。


 だがすぐに――


「エアレイド」


 風刃の連撃。


 前進を止められる。


 距離が縮まらない。


 レオンが歯を食いしばる。


(このままじゃ……)


 だが諦めない。


 もう一度踏み込む。


 火球。


 回避。


 地面攻撃。


 跳ぶ。


 光弾。


 避ける。


 繰り返し。


 何度も。


 何度も。


 そして――


(……見えてきた)


 ほんのわずか。


 だが。


 レティシアの魔法の流れ。


 発動の“間”。


 次に来る軌道。


 レオンの動きが変わる。


 風刃を最小限で避ける。


 火球の爆発範囲を外す。


 地面攻撃を先読みして跳ぶ。


 観客席がどよめく。


「対応してきた……!」


 ルシアンが目を細める。


(……やはり神の加護)


 レオン自身は気づいていない。


 だが確実に、導かれている。


 レオンが踏み込む。


 少しだけ距離が縮まる。


 だが――


 レティシアの表情が変わる。


 わずかに。


「……いいわね」


 次の瞬間。


 魔法の密度が変わる。


「エアカッター」「フレアボルト」「ルミナバレット」


 同時。


 重なる。


 回避不能に近い弾幕。


 レオンが避ける。


 だが完全ではない。


 肩を掠める。


 さらに次。


「グランドスパイク」


 足元。


 跳ぶ。


 そこへ――


「ルミナバレット」


 追撃。


 直撃寸前。


 レオンが無理やり体を捻る。


 着地。


 息が荒い。


 観客席が沸く。


「やばいぞ……!」


 ルシアンが静かに呟く。


(……このままでは押し切られます)


 レオンも理解していた。


(……このままじゃ無理だ)


 このままでは届かない。


 いずれ削られる。


 なら――


 選択肢は一つ。


 レオンが目を閉じる。


 次の瞬間。


 身体が光り、魔力が溢れる。


 踏み込み。


 速い。


 これまでとは別次元。


 風刃を抜ける。


 火球を突っ切る。


 光弾を避ける。


 一気に距離を詰める。


 観客席が爆発する。


「速っ!?」


 レティシアの目が見開かれる。


 レオンが迫る。


 剣が届く距離。


 初めて。


 レティシアの領域に踏み込む。


(これは――)


 ルシアンの目が細くなる。


(勇者の身体強化)


 レティシアが即座に距離を取る。


 だが遅い。


 レオンが踏み込む。


 斬撃。


 レティシアが防ぐ。


 だが体勢が崩れる。


 完全に近距離。


 これまでとは逆。


 レティシアが押される側になる。


 レオンが止まらない。


 連撃。


 速い。


 重い。


 レティシアが受ける。


 だが――


(まずい……)


 距離が取れない。


 魔法を展開する余裕がない。


 観客席が最高潮に達する。


「逆転した!」


 レオンがレティシアを追い詰める。


「……これは、とっておきを使うしかなさそうね」


 空気が変わる。


 戦いは、さらに激化しようとしていた。


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