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果てなき世界  作者: 影川明空人
第3章
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第144話

第144話


 四日目の夜。


 野営地には静かな空気が流れていた。


 焚き火の火が小さく揺れる。森の奥から虫の声が聞こえ、風が木々を揺らしていた。


 調査は順調に進んでいたが、魔物の強さの変化は明らかだった。全員がその異変を感じていた。


 食事を終えた後――


 レオンとルシアンは少し離れた場所に移動していた。


 毎晩の稽古。


 この四日間、欠かさず続けている。


 レオンが剣を構える。


 ルシアンも剣を抜く。


「いくぞ」


 レオンが踏み込む。


 剣を振るう。


 ルシアンが受ける。


 金属音が響く。


 すぐに次の一撃。


 ルシアンが最小限の動きでいなす。


 反撃。


 レオンが防ぐ。


 以前よりも動きが良い。


 ルシアンが静かに観察する。


(踏み込みが改善されていますね)


 レオンがさらに攻める。


 連続攻撃。


 以前よりも無駄が少ない。


 ルシアンが受け流す。


 そして――


 軽く剣を弾く。


 レオンの体勢が崩れる。


「……っ!」


 だが――


 すぐに体勢を立て直す。


 ルシアンが言う。


「……良くなっています」


 レオンが息を吐く。


「まだまだだけどな」


「いえ」


「確実に成長しています」


 レオンが笑う。


「そりゃ、ルシアンに付き合ってもらってるからな」


 稽古はしばらく続いた。


 そして――


 五日目の朝。


 アルベインが地図を見ながら言う。


「予定していた五日間の調査は本日までですが……」


 全員が視線を向ける。


「異変の原因までは掴めていません」


 静かに言う。


「本日も引き続き調査を行い、可能な限り情報を集めましょう」


「状況によっては延長も検討します」


 全員が頷く。


 森の中を慎重に進む。


 その時――


 ルシアンが足を止める。


「……」


 レオンも気付く。


 話し声。


 人の声だった。


 アルベインが手で合図する。


 全員が身を潜める。


 少しずつ近づく。


 そして――


 三人の姿が見えた。


 人型の魔族。


 禍々しい魔力。


 ルシアンの目が細くなる。


(……強い)


 三人とも――Sランク相当。


 レオンも息を飲む。


「……魔族」


 弓使いの女性が小さく呟く。


 その時――


 一人の魔族がこちらを見る。


「……誰だ」


 気付かれた。


 次の瞬間――


 三人の魔族が動く。


「人間か」


「ちょうどいい」


 一人が前に出る。


 もう一人がルシアンたちを見る。


 そして――


 三人目が後方へ下がる。


「撤退する」


 その言葉と同時に走る。


「逃がすな!」


 剣士の男性が叫ぶ。


 だが――


 残りの二人が立ちはだかる。


「行かせるか」


 魔族が笑う。


 戦闘開始。


 一人はアルベインたちへ。


 もう一人はレオンとルシアンへ向かう。


 魔族が剣を抜く。


 禍々しい魔力が広がる。


 レオンが剣を構える。


 ルシアンも静かに剣を抜く。


「……来る」


 魔族が踏み込む。


 速度――速い。


 レオンが迎え撃つ。


 剣が交差する。


 衝撃。


「……っ!」


 重い。


 明らかに強敵だった。


 ルシアンが横から踏み込む。


 二対一。


 だが――


 魔族は笑う。


「面白い」


 魔族との戦いが始まった。


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