表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
果てなき世界  作者: 影川明空人
第4章 学園1年目 武闘大会編
141/200

第140話

第140話


 武闘大会まで残り三週間。


 授業再開から一週間が過ぎていた。Sクラスの空気は明らかに変わっている。遠征を経て、全員の意識が高まっていた。


 そんな中――


 レオニードが教室に入ってきた。


「……今日は連絡事項がある」


 全員の視線が集まる。


「本日から個別任務を与える」


 教室の空気がわずかに変わる。


 個別任務。


 Sクラスにおいて評価に大きく関わる制度だった。


「任務をクリアすれば評価が上がる」


「授業に出席できない分は免除する」


「希望すれば補講も行う」


 レオニードは続ける。


「任務は単独のものもあれば、複数での対処が許可されるものもある」


「同行者も貢献度に応じて評価対象とする」


 つまり――同行者も評価が上がる。


「なお、一年生はまだ経験不足のため、任務によっては学園側が同行者を付ける場合がある」


「二年生以降は基本的に同行者は付かない」


「一年生のうちに経験を積め」


 全員が静かに頷く。


 そして――


「最近、各地で魔物の活性化が確認されている」


 レオニードの言葉に、空気が少し引き締まる。


「以前よりも高ランクの魔物が出現する傾向にある」


「原因は不明だが、油断するな」


 短い言葉だったが、重みがあった。


 遠征でも感じていた違和感。


 それが各地で起きている。


「今回の任務は都市から三日圏内」


「長期遠征ではないが、実戦経験としては十分だ」


「今回は上位五名に任務を与える」


「グランヴェル」


「レティシア」


「フィアナ」


「テオドール」


「レオン」


 五人が立ち上がる。


 資料が配られる。


 まず――


 グランヴェル。


 都市の北西にある山岳地帯に出現したAランクの魔物「ストームグリフォン」の討伐。


 単独任務。


 グランヴェルが口角を上げる。


「……単独か」


 むしろ歓迎だった。


「悪くない」


 次に――


 レティシア。


 古代遺跡の調査。


 危険度Bランク。


 最近発見された小規模遺跡の確認。


 レティシアの目が輝く。


「……遺跡」


 すぐに横を見る。


「シャロン」


 シャロンがため息を吐く。


「……同行します」


 次に――


 フィアナ。


 聖国リュミエルからの依頼。


 巡礼路の安全確認。


 単独任務。


 フィアナが静かに頷く。


「……分かりました」


 次に――


 テオドール。


 東部森林地帯での魔物の群れの討伐。


 Aランクの魔物を含む群れ。


 テオドールが横を見る。


「ガイウス、ノエル」


 ガイウスが笑う。


「いいぜ」


 ノエルが視線を向ける。


「……どうして私?」


「近接戦になる可能性がある」


 テオドールが言う。


「俺一人だと厳しい」


 ノエルが少し考える。


「……足手まといにならなければいいけど」


 皮肉混じりだった。


 だが――


「いい」


 短く答える。


 そして――


 最後はレオン。


 魔族領近郊の西部森林地帯での魔物活性化調査。


 危険度Aランク。


 レオンが資料を見る。


 そして――


「ルシアン」


 視線を向ける。


「一緒に来てくれないか」


 ルシアンは少し考える。


 魔物の活性化。


 調査任務。


 そして――


 レオンの鍛錬にもなる。


「……いいですよ」


 レオンが頷く。


「助かる」


 ルシアンは静かに考える。


(魔物の活性化……)


 遠征でも感じた違和感。


 各地で起きている異変。


 偶然ではない可能性もある。


 だが――


 今はまだ判断できない。


 レオニードが最後に言う。


「任務開始は明日からだ」


「各自、準備を整えろ」


「以上だ」


 短く言って、教室を出ていく。


 Sクラスの面々がそれぞれ動き始める。


 武闘大会まで――残り三週間。


 そして――


 個別任務が始まる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ