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果てなき世界  作者: 影川明空人
第3章 学園1年目
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第113話

第113話 


 ざわめきは、しばらく続いていた。


 ルシアンは何事もなかったかのように席へ戻る。だが周囲の視線はまだ向けられていた。


「……なんだったんだ今の」


 ガイウスが小さく呟く。


「分からねぇ……」


 レオンも首を傾げる。


「速かったのか……?」


 テオドールは静かに言う。


「いや、速さだけじゃない」


 目を細める。


「無駄がなさすぎる」


 ノエルは黙ったままルシアンを見ていた。


 何も言わない。


 だが、その視線はわずかに鋭かった。


 その時、レオニードが口を開く。


「次」


 名前が呼ばれる。


 次の模擬戦が始まる。


 だが――


 空気はまだ少し残っていた。


 ルシアンの戦闘。


 それは派手ではない。


 だが確かに印象に残るものだった。


 レオンが小さく言う。


「……強いな」


 ガイウスが頷く。


「ああ」


 ルシアンは何も答えない。


 静かに戦闘を見ていた。


(……)


 レオンの戦い。


 ガイウスの防御。


 テオドールの魔法。


 ノエルの隠密。


 フィアナの守り。


 それぞれの特徴が、少しずつ見えてきていた。


 レオニードがしばらく戦闘を見た後、口を開く。


「今日はここまでだ」


 突然の終了だった。


 生徒たちが少し驚く。


「次回からはパーティ単位での戦闘も行う」


 その言葉に空気が変わる。


 パーティ戦。


 実戦に近い形式だった。


「遠征に向けた訓練になる」


 短く告げる。


「解散」


 生徒たちが動き出す。


 レオンがルシアンを見る。


「……さっきの、どうやったんだ?」


 率直な質問だった。


 ルシアンは少しだけ考える。


「特別なことはしていません」


 短い答え。


 レオンは苦笑する。


「そうか」


 だが、それ以上は聞かなかった。


 テオドールが小さく言う。


「……面白い」


 ノエルは小さく息を吐く。


「……分かりにくい」


 フィアナは静かにルシアンを見る。


 何も言わない。


 だが――


 少しだけ興味を持ったようだった。


 こうして、Sクラスの初めての戦闘授業が終わった。


 そして――


 パーティとしての動きが、これから始まろうとしていた。


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