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真・土俵の鬼達〜師匠に捧げる白星(ホワイトスター)〜  作者: 佐久間五十六


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第132話 令和20年夏場所

元横綱越乃海の断髪式が異例の早さで行われた。各相撲部屋の親方や現役力士、著名人等コシと関わりの深かった約500人がコシの大銀杏にハサミをいれた。最後は先代の女将さんがとめばさみを入れ断髪式は終了した。だがコシの目に涙は無かった。その足で理容室に行った。散髪した姿をみた竜一はこう言った。


「パパ?そのヘアスタイル似合ってるよ!」

「だろ?」

コシはスポーツ刈りにしていた。入門前のかすかな記憶を頼りに髪を整えて貰った。


コシは時津川親方になっても稽古場で汗を流していた。ぶつかり稽古ではまだまだ強さは健在である。先代が最後にスカウトしていた5人の力士も新弟子検査を通過し、夏場所で初土俵を踏んだ。


「これからは親方業に徹する訳ですね?」

「あぁ、そうだな。」

「スカウトも大事ですが、今部屋に在籍している100人の力士の世話もよろしくお願いしますよ?」

「分かってますよ。」

時津川部屋の関取は20人。うち幕内力士10人十両力士10人。大関1人に横綱2人と、まぁ大所帯な部屋だが、現役の頃とは勝手が違う。名門時津川部屋の名を汚す事無いようにしっかりと親方業に徹する必要があった。そして妻ゆいPにも女将修行をしてもらわねばならなかった。まぁ、その点に関しては先代の女将さんがサポートしてくれると言うから安心だろう。


そうこうしている内に場所入り。幕下以下の力士との申し合いは、小学生の三つ子達にはハード過ぎるメニューであったが、今のうちからなれておけぱ入門してからのカルチャーショックも無くなる。3名は泥んこになり力士養成員(幕下以下の力士の事)と汗を流した。初日、コシのいなくなった後の角界を誰が引っ張って行くのか、誰が突き抜けるか戦国時代に突入して行った大相撲界ではあった。


結局この場所は平幕の22歳である時大和(時津川部屋)が14勝1敗で約10年ぶりの平幕優勝を達成した。この他にも多数の実力者を育て上げた先代の凄さを感じていた。力士としては大成しなかったが、横綱を4人育て上げた先代は名門時津川部屋の名を世に知らしめた。大所帯であった時津川部屋ではあったが、一人一人丁寧に指導をし、落伍者を極力輩出しなかった。角界をさる力士にもセカンドキャリアの世話までしてあげていたと言うから驚きだ。先代に頭が上がらなかった力士は沢山いたはずである。最もコシもその内の一人である。先々代に拾われ、先代に大きく育ててもらった。今度はその恩を弟子達に還元する番である。先々代や先代が築き上げて来た歴史ある部屋の姿をどう自分の代でアップデートするか?それが先代に報いる唯一の手段である。最早、白星ホワイトスターで恩返しは出来ない。そもそも先代が亡くなってから誰が部屋を引き継いでいくかは、話し合いの場は無かった。だが、現役にはもう未練は無かったしコシは自ら髷を落とす覚悟を決め部屋を継承した。


まぁ、山田太(元横綱越乃海)の物語はここで一旦打ち止めである。

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