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真・土俵の鬼達〜師匠に捧げる白星(ホワイトスター)〜  作者: 佐久間五十六


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第130話 令和19年九州場所②

コシの強さは別格であった。どんな時も、ここぞと言う時は必ず白星を挙げて来た。優勝を病で伏せる親方に届けると誓った。もう優勝出来なくなっても良いから、今場所だけは優勝したい。と、心の底から思って土俵に上がっていたコシであった。中村や山中もコシへの援護射撃を行い、何とか時津川部屋の総力を結集して、コシを優勝させたいと言うムードが高まっていた。もちろん、コシは周囲の力など借りるまでもなく、負けなければどうにかなる。そう思っていた。


結局全勝でむかえた千秋楽。もちろん勝てば全勝優勝敗れれば優勝決定戦。もちろんコシは本割で決めるつもりで土俵に上がった。相手は横綱武蔵山。


「親方…見てて下さいよ?絶対白星を持って帰りますから。」

1年納めの九州場所。千秋楽結びの一番1敗でコシを追いかける横綱武蔵山と全勝の越乃海。横綱同士の優勝をかけたガチンコバトルであった。かけられた懸賞は100本。もちろん史上最多の懸賞金であった。


「親方!」

「もう結びか…。」

「立派になりましたね、コシ関。」

「あぁ…あの生意気小坊主が立派な大横綱になった。」

最後の塩…。タオルを断りコシは目を閉じ深呼吸。(絶対に勝つ)バンと腹を一回叩くといよいよ戦闘モードに入った。注文相撲が来ても良いようにもろはずで相手の出足を止める事に集中した。


「待った無し!手をついて!」

合わせるのは第43代木村庄之助。

「はっけよーい!残った、残った!」

やはりそう来たか…。だが先の先を止めてしまえば後の先。コチラに有利だ。すかさずコシは得意の突き押しで一気に勝負を決めにかかる。そこを見越してか、コシの腕を掴みとったりに来ようとする武蔵山だったが、コシの威力ある突き押しはそんな武蔵山のあさはかな作戦を寄せ付けなかった。

「押し出し!激しい横綱同士の一戦は越乃海に軍配がありました。」

コシは見事に3場所連続54回目の優勝を全勝で遂げた。その足で病院に駆けつけたコシや中村や山中だったが、時津川親方は亡くなっていた。コシの優勝を見届けてから眠るように逝ったと言う。享年54若過ぎる死であった。


「女将さん!部屋の事は自分に任せて下さい。」

「コシ関?」

「自分が引退して部屋を継承します。」

「本当にいいの?」

「妻ともしっかり話し合いましたから。」

「そう。じゃあ私も女将さん引退ね?」

「色々と思う所はお有りでしょうが、若い自分に部屋を任せて下さい。」

「お!女将さん!これ。」

「何?」

「少ないですが…。」

「こんな大金受け取れないわ。」

「親方によい墓を建ててやってください。」

「本当に良いの?」

「俺にとってははした金ですから。」

「じゃあ、色々と大変だけど頑張ってね。」

「はい。」


こうして前時津川親方(元小結豊の国)の急逝により、第18代時津川をコシが襲名し、部屋を引き継いだ。越乃海現役引退のニュースは即日報道された。史上最強の横綱は多くの記録を残して現役を引退した。まだ29歳であったからその引退は広く惜しまれた。来場所からは親方として場所に臨む事になる。

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