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真・土俵の鬼達〜師匠に捧げる白星(ホワイトスター)〜  作者: 佐久間五十六


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第129話 令和19年九州場所①

横綱71場所目のコシは足首の具合を確かめながらの調整となった。診察にも週一で通い、医者が決めたメニューをこなす。そんな每日であった。もちろん稽古不足になっている事は分かってはいたが、それは今までの貯金で何とかなる。また怪我をする様では今度こそ力士生命に関わると言う危機感がコシにはあった。


「どうした?」

「いえ、なんて事は無いんです。」

「稽古不足になっている様だが?」

「医者が決めたメニューしかこなしてませんから。」

「コシともあろう者が…。」

「まぁ、30歳近くなって色々ガタ来てんのは分かっているんすよ。」

「1日でも長く現役を続けたい気持ちはよーく分かってる。実際俺もそうだったからな。そのやり方でどこまで通用するのか見させてもらい、今後の横綱越乃海の育成方針を見極める場所とさせてくれ。」

「はい。分かりました。」


そして福岡入りした。中村や山中ら部屋の横綱が順調に稽古を重ねる中で、コシはマイペースな稽古に没頭した。無理な稽古は今のコシには毒だ。と言い聞かせる様に鉄砲を打ち続けていた。場所が始まると、場所前の下馬評を覆し横綱越乃海だけが中日給金直し。やはり抑えていた力を開放したコシはまだまだ強かった。とは言えこれはまだ前半戦の話。後半戦に控える上位戦はそう簡単にはいかないだろう。


「コシ!良いじゃないか!この調子で…ウッ…グフ。」

「親方!?」

「誰か救急車!」

「後の事は任せたぞ…。」

対応が早く時津川親方は一命は取り留めたがまだまだ意識はまだ戻っていなかった。


「コシ関?明日も取り組みあるでしょ?親方には私がついてるから。」

「女将さん?」

「昔から悪かったんですか?」

「医者の見立てでは親方はもうそんなには長くないみたいなの。」

「そんな風には全く見えませんでしたけど?」

「肝臓がんステージ4で既に手術は不可能でって言われたわ。」

「持ってどのくらいですか?」

「あと余命一ヶ月位だと…。」

「じゃあまだ間に合いますね!女将さん?」

「コシ関?何がどう間に合うの?」

「全勝優勝で親方に白星を捧げます。」

「あ、そう言う事ね。分かったわ。」

「師匠!絶対まだ逝かないでくださいね。絶対優勝して来ますから!」


という事で部屋の親方代行は女将さんが暫定的に務める事になった。また、親方の容態次第ではあるが場所後越乃海が現役を引退し第19代時津川を襲名する公算が高くなった。と、ニュースになるのも時間の問題であった。まだ場所中だと言うのに、どこぞのマスコミがかけつけ始めていた。

「おい!中村!戸締まりはしっかりしといてくれ!病院の方は女将さんがマンツーマンで診てくれていますから、心配無い。」

と、容態次第では現役を引退せねばならない複雑な心境になっていた。

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