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真・土俵の鬼達〜師匠に捧げる白星(ホワイトスター)〜  作者: 佐久間五十六


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第125話 令和19年名古屋場所①

横綱69場所目のコシは3場所ぶりの出場で、進退のかかる場所だったが不安は無かった。初日さえ上手く乗り切ればどうにかなる。と、コシも時津川親方もそう思っていた。応援してくれている人の為にも負けられない日々が続く。


「テーピングもサポーターもいらないって。」

「駄目ですよ。コシ関!また怪我したらもう後には引けないんですよ?」

「分かったよ。ヒカリ?テーピングで固めてくれ。」

もう普通に稽古していたコシだが、怪我の影響が無いと言うのは嘘であった。とにかく格下相手の序盤戦を無傷で乗り越えられるか?そこが最大の焦点であった。


「パパの土俵入り最高に格好良いね。」

「そりゃそうだよ兄ちゃん。もう11年もやってるんだから凄いよ。」

「俺は雲竜型も良いけど、不知火型も好きかな?」

「横綱か…。いいね。」

「あんたたち?TVも良いけど、宿題はしたの?」

「そんなの授業中にしたよ。」

「マジかよ!?やっぱ竜一兄ちゃん凄いわ。」

「どうせ勉強したところで中学校を卒業したら、力士になるんだから成績なんてどうでもいいだろ?」

「それは違うよ竜三?勉強もろくに出来ない奴が横綱にはなれると思うか?」

「兄ちゃんと俺は違うんだって。相撲の実力も頭の良さも同じ三つ子でも全く違うんだって。父さんがどう思うかは分からないけど、相撲で食ってく自信はないよ。」

「竜三…。」


コシの初日の相手は小結長谷川。相手としてはやりやすい相手だ。

「足の不安が無いのなら思い切ってかち上げても良いんじゃないか?ぶちかましでも構わないけど。」

「もろはずで相手の出足を止めると言う方法も無くはないか?」

「かち上げて行こうと思います。今の足の状態を考えるとぶちかましは不可能ではありませんが、右足に重点を置いた時に少し不安があります…。」

「テーピングもサポーターもしているんだろ?」

「だとしてもです。」

と、様々な雑念があったが、結局かち上げて小結長谷川を押し出しで破り初日白星発進となった。それからは怪我前のコシの十八番であるぶちかましやかち上げで、久し振りに中日給金直しを決めた。


「コシのやつ一度勝つと止まらないな。」

「まぁ、横綱ですから。」

他の横綱も7勝1敗で中日を折り返した。


「あ!コシ関何食ってんですか?」

「プロテインバーだよ!」

「プロテインバー?」

「ヒカリ?お前も食うか?」

「これからちゃんこ食うじゃないですか?」

「たんぱく質が足りねーとケガするってファイザッピのふくちゃんにアドバイスされてさ。半ば押し売りだったけど中々馬鹿にねらないよ?」

「親方が探してましたよ?」

「マジかよ?すぐ行く。」

「コシ?どこほっつき歩いてたんだ?貴様今場所は進退のかかった横綱なんだぞ?」

「分かったら、四股100回踏んで来い。」

「テーピング外す前に言って下さいよ!」

「ヒカリ?テーピングしてやれ。」

「今からすか!?」

「親方命令です。手伝います。」

「98.99.100おお!やりゃあ出来んじゃん。」

「もう進退がどうとかは言わせないな。」

「親方!」

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