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真・土俵の鬼達〜師匠に捧げる白星(ホワイトスター)〜  作者: 佐久間五十六


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123/134

第123話 令和19年夏場所①

横綱68場所目のコシは怪我の為、夏場所も全休する見込みであった。怪我の治り具合としては、80%と言う所まで来て歩いたり軽いランニングなどは出来る様になっていた。稽古も上半身を中心に再開しており、鉄砲メインでやっていた。だが、まだ申し合いだけは親方からNGを出されていた。怪我の具合も全ては親方の匙加減になっていたからだ。部屋ではコシが怪我をしている間に関取が5人誕生して、部屋の活気も物凄いものになっていた。若い力士の頑張りにコシも気合が入る。場所入りしてから率先して部屋の力士のサポートを志願。親方も即決してくれた。まるで引退をした親方の様な振る舞いに時津川部屋の力士達は驚きを隠せずにいた。


優勝レースは中村と山中の両横綱が展開していたが、前半戦の話題を根こそぎ持って行ったのは、史上1位となる大関在位100場所を達成した大関安高だった。怪我やカド番も何度も経験した。そんな苦難にも負けず達成した40歳の見事な記録であった。


中村は7勝1敗。山中は6勝2敗で中日をターンした。優勝レースのトップは中日給金直しを達成した横綱武蔵山であった。


「あなた?」

「何?」

「お風呂どうぞ。」

「皆入ったんか?」

「うん。」

「俺が入ると湯船無くなるからな。」

「子供達は…もう寝てるか。」

「もう0時よ?寝てるに決まっているじゃない。」

「そっか。もうそんな時間か…。」

「もう少し早く帰ってくれば良いのに。」

「怪我をしていても、俺はまだ現役力士だからな。」

「っていうか、怪我していなくても遅いじゃない。稽古稽古稽古…。」

「力士が旦那なんだから仕方ねーだろ?」

「今さらそんな事言わないでよ。私はあなたの奴隷じゃないのよ?」

「俺の前では良いけど、子供達の前ではそんな事絶対言うなよ?」

「もちろんよ。」

「怪我で収入が減っているからゆいPちょっと怒り気味?」

「茶化している場合なの?」

「ごめんごめん。今後は気をつけるよ。」

「もう。仕方ないわね。」

「確かに収入は減ってるけど、今すぐ困る事の程ではないだろ?」

「これまでの膨大な貯金があるからね。」

「いくら位?」

「億超えよ?」

「マジかよ?」

「細かい額は聞かないの?」

「興味がない。」

「相当な額よ?」

「お金の管理は全部ゆいPに任せてあるから。」

「物凄い信頼感だね。」

「それは長年つれそっている仲だからね。」

「まだまだ稼いでよね。」

「そのつもりでリハビリしてるよ!まだ28歳だぜ?」

「その位の年でも引退してる人は沢山いるわ。」

「この位の怪我ならどうと言う事ではない。」

「そうなの?」

「あぁ。」

「なら良いけど。」

「順調に行けば7月の名古屋場所で復帰する予定だから。」

「うん。頑張ってね。」

「あぁ。」


こうしてコシは懸命のリハビリもあり、2037年5月中旬には、幕下以下の力士達との申し合いを再開した。夏場所後からは関取衆とのぶつかり稽古も再開する予定であった。

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